日本の「動画配信」は、どこまで伸びるのか

Netflix上陸、迎え撃つdTVなど百花繚乱

特に日本テレビは、無料の見逃し配信とSVODのHuluをうまく組み合わせて、「1話だけなら無料。でもこれまでの話を全て見るならHuluへ」と誘導している。こうしたやり方は、今後もっと増えると予想される。

現在SVODを展開する各社は、他社からのコンテンツ調達だけでなく、自社出資による「オリジナル作品」の制作に力を入れている。調達コンテンツでは差別化が難しいためだ。アメリカで、Netflixやアマゾンの制作するドラマは、クオリティの高さに定評がある。

これまではケーブルテレビのプレミアム局のためにコンテンツを制作していた人々が、ネット系企業の資金力を背景に制作するのだから、クオリティが高くなるのも当然といえる。番組制作会社・テレビ局としても、ネットオリジナル作品は、制作資金があって注目度も高く、時間や表現での制約が小さく、取り組み甲斐のある題材だ。

本格普及はまだ先だが、海外でSVODとオリジナル作品は、「放送」という硬直したビジネスへのカンフル剤として機能し、業界を活性化している。すでに述べたように、日本でも、テレビ放送はカジュアルさゆえに、その立ち位置に苦慮している。

在京キー局はどう動くか

最も影響力の強いメディアであり、当面、コンテンツ制作のイニシアチブを握っているのが在京キー局である、という位置付けに変化はないだろう。だが、収益の多角化のためにも、コンテンツの多様化のためにも、SVODのような事業者とどう付き合うかを考え、コンテンツ制作を行うことが重要なのは間違いない。

海外から優秀なコンテンツはどんどん入ってくるし、国内の制作会社と海外のプラットフォーマーが組む割合も増えるのは間違いない。日本向けのコンテンツ投資は16年に本格化するとみられており、そのなかには、Netflix出資による、あのベストセラー『火花』の映像化作品も含まれる。

そうした構造変化が、日本の映像業界をどう活性化するのかに注目だ。

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