だからエイベックスの動画配信はつまずいた 屋台骨を支える事業で起きた「想定外」の事態

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鳴り物入りで始まった2つの動画配信事業だが、現在は苦境に陥っている

太平洋の対岸から押し寄せた大波が早速、日本のコンテンツ産業に暗い影を落としている。

浜崎あゆみなど多くのアーティストを抱える、エイベックス・グループ・ホールディングスは10月29日、2016年3月期業績予想の下方修正を発表した。本業の儲けを示す営業利益は、110億円の従来予想から6割減となる42億円に修正。前期の86億円から半減の見込みとした。

ネットフリックス上陸でdTVが苦戦

想定を狂わせた最大の要因は、9月に日本でサービスを始めた米国の動画配信サービス「ネットフリックス」だ。

エイベックスは同サービスの上陸をにらみ、NTTドコモと共同で提供する定額見放題の動画配信サービスを、4月に刷新。名称を「dビデオ」から「dTV」に改め、オリジナル作品の制作など、積極的に費用を投じてきた。

ここで想定外だったのは、ネットフリックスの参入に伴い、ネット通販大手の米アマゾンが予定よりも早く、日本での動画配信サービスを開始したことだった。ネットフリックスにアマゾンが加わり、競争は一気に過熱。エイベックスも負けじとコンテンツ拡充のスピードを上げた結果、配信作品の調達費用が計画よりも膨らんだ。

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