日本の「動画配信」は、どこまで伸びるのか Netflix上陸、迎え撃つdTVなど百花繚乱
それだけの事業者の参入を、日本勢もただ見ていたわけではない。
NTTドコモとエイベックス・グループが共同して展開する「dTV」、もともとはハリウッド資本だったが14年4月に日本テレビが買収した「Hulu」は、Netflix参入に合わせてサービスをリニューアルした。テレビ番組を中心とした、日本国内調達のコンテンツの量を増やし、Netflixとの対決姿勢を明確にしている。
そして3社がしのぎを削るなか、満を持して日本参入を決めたのが、通販大手のアマゾンだ。同社は年額有料会員サービス「アマゾン・プライム」の一環として、海外では映像配信「アマゾン・プライムビデオ」を提供している。日本でも、アマゾン・プライム会員の拡充を目的とし、プライムビデオを開始した。映像配信開始に伴う値上げもなく、既存のプライムと同じ、年額3900円(税込)で利用できる。他社より安価な水準で、一気に攻め込んできた。
Netflixの参入にしろ、アマゾンの参入にしろ、背景には「映像コンテンツ調達難易度の低下」がある。
dTVは、前身となる「dビデオ」「BeeTV」の時代から拡販に取り組み、すでに500万人近くの会員を獲得している。アクティブな利用者数は少ない、との観測もあるが、これだけの利用者がいれば、実際に作品を見る人の絶対数も増える。
またHuluは、日本テレビ傘下になって自社のドラマやアニメを増やしただけでなく、他のテレビ局や映画会社とのパイプも活用し、幅広く「テレビ生まれの作品」を揃えた。テレビ局としても、番組視聴率が伸び悩むなか、映像配信事業の再評価が進み、コンテンツが出てきやすくなっていた、という事情もある。結果、Netflix参入前の14年の段階で、日本のSVODは上向き傾向にあった。
Netflixやアマゾンが参入したのは、日本でのコンテンツ調達が容易になってきたからだ。Netflixは数年前から日本の市場環境をじっくり観察しており、なかでもコンテンツ調達が難題とされてきた。若干皮肉なことだが、国内事業者のがんばりが、彼らのライバルを引き寄せたとも言える。
日本のVODは「テレビ」にこだわって失敗
過去の日本のビデオオンデマンドは、「鳴かず飛ばず」の状態だった。そもそも日本は、テレビという家電でのネット配信インフラ構築について、他国に先駆けて進めてきた実績もある。07年、家電各社は共同出資で映像配信事業「アクトビラ」をスタートした。これに合わせ、テレビ側でインターネットに接続し、サービスを利用するための仕様は統一され、日本メーカー製のテレビであれば、ネット接続機能を持つものはほとんどが利用可能、という状況になっていた。
にもかかわらず、アクトビラの利用量は増えなかったし、日本でビデオオンデマンドの利用は広がらなかった。
理由は単純。アクトビラを中心とした「家電軸」でのビデオオンデマンドが、非常に使いにくいものだったからだ。
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