日本の「動画配信」は、どこまで伸びるのか Netflix上陸、迎え撃つdTVなど百花繚乱
2015年になって、映像配信ビジネスは急速に進歩を遂げている。アメリカでは10年ほど前から定着しており、日本でもビジネスそのものは同時期にスタートしているものの、この期間は試行錯誤ばかりで前に進めなかった、とも言える。
では、その試行錯誤とはどんな状況だったのか? そして、なぜ15年になって急に動き出したのか? その背景を知ることで、映像配信だけでなく、日本の映像産業全体が抱える問題点が見えてくる。
国内2社の積極策でNetflix参入が決まった!?
2015年の映像産業にとって、台風の目が「Netflix」であったのは間違いない。全世界で7000万を超える有料会員を持つ、世界最大の映像配信事業者が、9月に日本へ上陸した。
同社の日本参入は、家電業界および映像関連業界では、14年の早い段階から噂されていた。13年からNetflixは海外進出を加速しており、アジア市場への足がかりとして日本市場を考えている……というのがもっぱらの噂であった。そしてそれは事実でありNetflixは14年中に家電メーカーや主だったテレビ局・映画会社などとのコンタクトを取り、参入準備を進めていた。
Netflixは、俗に「SVOD」と呼ばれる形態の映像配信事業者だ。SVODとは「サブスクリプション・ビデオオンデマンド」の略。毎月決まった額を支払えば、サービスに登録された何万本というビデオから、好きなものが見放題になる。アメリカではレンタルDVDを駆逐し、ケーブルテレビを追いかけ、世帯普及率が4分の1を超えるまでに成長している。夜のゴールデンタイムには、アメリカのインターネット・トラフィックのうち、4割弱がNetflixへのアクセスで占められるほどになっている。
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