フィンテックは既存秩序の「破壊」ではない Moneytreeが構想する金融×技術の未来

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—— 商談にもかなりの技術的知識が必要かと思います。マークさんはエンジニア出身とお聞きしましたが、今もコードを書いているのですか?

いえ。ただ、コードレビューはするようにしています。メールに通知されるので思わず見てしまうという側面もありますが(苦笑)。

先ほども申し上げたように、我々がやろうとしていることには未知のことがまだまだ多いです。お客さまと話す中で新たなニーズが分かれば、それに応じて方向を細かく修正していかなければならない。APIに関してもアジャイルである必要があるということです。

たとえば、複数のAPIをゲートウエイに統合するのは可能ですが、一つのAPIを分岐させるのは現状は技術的に難しい。ですから、将来提供することになるであろう機能のために、コード的にも可能性を残しておく必要があります。

その点、お客さまのニーズを一番敏感に感じ取れる私がコードレビューに参加することで、「この言語を使ってしまうとライブラリが限定されてしまうので、ビジネスのニーズに合わない」といった提言が素早くできます。

どんな組織であっても、階層的になってしまうと動きはどうしても遅くなります。私はオフィスでも常にCTOの隣に座っており、「今日はお客さまからこんな話をされた」、「近い将来こういうことも考えないといけない」という具合に、既存のロードマップに“横やり”を入れる立場でもあるのです。

—— 今後は営業スタッフを増やしていくとのことですが、御社の採用方針、ひいてはAPIエコノミーの時代に求められる人材像についてお考えを聞かせてください。

営業に関してはいわゆるテクニカルセールスと呼ばれる分野になると思いますが、実際の商談の場面では「このAPIはどういう意味?」と技術的な内容を聞かれることも多くなるでしょう。その度に「担当に確認します」と答えているようではスピード感は失われますから、商品の仕様書はすべて理解しておいてほしいですね。

「理解する」というのは仕様書をすべて読むというのではなく、「実際にAPI連携することができる」という方が近いかもしれません。だからできればコードを書ける人がいい。

社内ではよく「T型」人材が欲しいと言っているんです。幅広く何でもできる上に、何か一つ深い知識のある専門分野を持っている人。逆に専門分野だけに特化した「I型」人材は、だんだんと苦しくなっていくように思います。

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