フィンテックは既存秩序の「破壊」ではない Moneytreeが構想する金融×技術の未来
今年は弊社に限らず、フィンテック元年と言われるほどこの業界が盛り上がっています。それが意味するのは、「金融機関が自社ですべてをやる時代が終わった」ということです。
これからは金融知識を持っている会社と、テクノロジーの知識を持っている我々のような会社がコラボレーションすることで、エンドユーザーとってにより便利な、できれば安いサービスを提供していくことが目的になっていくと思います。
——よく「APIエコノミー」という言葉を耳にしますが、APIのやり取りというのが、そうした構想を実現する上でのキーになっていく?
我々のサービスの強みはデータアグリゲーション。複数の口座などからデータを集める技術を持っています。これをAPIとして誰でも使えるように公開したのが、MT LINKです。同じように各企業が自分たちの強い部分をAPI化してくれれば、我々だけではできないことでも実現できるようになる。
先ほども申し上げたように、「ブランド囲い」をするプレイヤーは行き詰まり、良くも悪くもすべてがオープンになっていく。それはエンドユーザーから見れば良いことです。自分の目的に最も合ったサービスをその都度、選べば良いわけですから。
一方で、企業側はすべてをやろうとするのではなく、自分の強いところにフォーカスして磨いていくことが求められるでしょう。
そのインターフェースがAPIということです。Techの分野ではこうした話はすでに当たり前のことになっていますが、将来的には金融機関なども含めた多くの分野でAPIエコノミーは実現していくと思っています。
破壊ではなく、付加価値を生み出す
—— 金融機関の方でも、そうした未来に向けた動きがすでにあるのですか?
すでに公になっている例で言えば、NTTデータが10月に、共同利用型インターネットバンキングサービスの「AnserParaSOL」にAPI連携機能を追加すると発表しています。
同様に弊社でも、日本IBMとの連携を発表しました。IBMが持つBluemixのクラウド技術環境に弊社のAPIを接続し、銀行側が簡単に接続できるための準備を進めています。