フィンテックは既存秩序の「破壊」ではない Moneytreeが構想する金融×技術の未来

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—— 営業もできて開発もできるマークさんはまさに「T型」と言えますが、どんなキャリアを踏んだ人が「T型」になれるのでしょうか?

私自身は以前、IT系人材の派遣会社に勤めていた経験があって、そこで営業やコンサルティングを幅広く学びました。一方では幼少期から趣味で開発も行っていた。本業とは別に趣味の経験が活きる、というのはあり得る形かと思います。

またすぐに思いつく別の例は、技術者でありながらスタートアップをやろうとした経験のある人です。小さなアプリであっても市場に出した経験のある人は、嫌でも自然と販売や広報についても考えざるを得ない。

たとえ失敗に終わっていたとしてもいいんです。その大変さを理解していることが重要なように思います。

将来は人工知能アルゴリズムを用いて価値の「上積み」も

—— 将来的な構想について、お答えいただける範囲で教えてください。

先ほど効率的な開発に関する話をした中で、AWSが既存のサービスの上にどんどん新たなサービスを積み上げていっているという例を出しましたが、それと同じようなことをAPIの分野で考えています。

というのも、今出しているのと同じAPIをずっと提供し続けてたとして、10年先には同じことが銀行側にもできるようになっているかもしれない。なので、何か付加価値を出していかないと我々は生き残れないということです。

現時点で考えている「上の層=付加価値」としては、一つは、データアグリゲーション先をさらに増やすこと、もう一つは、アグリゲーションしたデータを分析した上で提供することです。

弊社ではアグリゲーションしたデータを分類するための自社製の人工知能アルゴリズムを開発済みなので、これに別のデータを適用することで、後者の価値を生み出すことも可能だと思っています。

—— 御社は日本のソフトウエア企業がなかなか果たせていない世界展開の目標も掲げていますが、APIを軸にした戦略はこれにどう絡んでいきますか?

その具体的な方法はまだ言える段階ではありません。ただ、APIは世界展開の一つのカギにはなるでしょう。APIは世界の共通言語。その気になればいくらでも他の市場に行くことができるだろうと思っています。

(取材・文・撮影/鈴木陸夫 編集部)

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『エンジニアtype』編集部

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