加速するO2O技術革新、驚くべき新・消費体験《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命》
通常の試し履きと違い、履き替えの手間もなく、何回でもいろいろな靴の試し履きが簡単にできる。気に入った靴を履いた写真を、Facebookに投稿し友人と共有までできてしまう。QRコードを読み込みその場での購入も可能だ。
ARとKinectという先端技術を使って、新しいリアル店舗の形を提案しているともいえる。
NFCでネット・リアル融合が加速
NFCで実現するリアル現場での新しいサービスも続々と展開されている。
12年1月、資生堂「SHISEIDO THE GINZA」で行われたNFCの実証実験では、各化粧品の商品棚に、中国語、英語、日本語コンテンツに対応したNFCタグを設置。NFC搭載スマートフォンをそれぞれのNFCタグにかざすだけで、選択した言語の商品説明がスマートフォン上に表示される。店頭での外国人への販売を促進できるサービスだ。
NFCは国際規格なため、国内企業は海外でも展開できる。
12年7月、東北復興支援を目的とする展示会「re:new tohoku」(リニュー・トウホク)が、夏季オリンピックでにぎわうロンドンで開催された。会場には、東日本大震災で被災した東北の職人が作った家具や調理器具、工芸品などを展示。トッパン・フォームズとTFペイメントサービスは、NFCスマートポスターとFacebookを活用したO2Oサービスを展開した。
作品を紹介するNFCタグ内蔵のポスターに、NFC搭載スマートフォンをかざすだけで、作品の詳細情報が見られる。作品の人気投票もFacebook上で実施し、来場者からの情報を世界中の人々へ発信したという。会場周辺では、NFCタグ付きの日本のうちわを配布。NFC搭載スマートフォンをうちわにかざすと、会場の展示作品の内容がわかるため、来場を促すことができる。来場者は会場を離れた後も作品の詳細を見ることができる。
NFC搭載スマートフォンによって、「財布のいらない世界」も期待できる。