加速するO2O技術革新、驚くべき新・消費体験《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命》
12年5~6月は、GAP原宿店と銀座店で、夏の新作コーディネートの人気投票を「リアルいいね!」を活用して行った。消費者がリアル店舗に行き、自分の好きなコーディネートを着用している店員を選ぶ。選んだ店員とハイタッチをすると、そのコーディネートに対しての「いいね!」が送信される。イベント期間中、GAPのFacebookページの「話題にしている人」の数(コメントやいいね!の総数)が4倍になったという。
「リアルいいね!」のシステムを開発した凸版印刷は、サイバーエージェントと協業。商業施設のほかにも、音楽、スポーツ、アートなど多方面で「リアルいいね!」をはじめとするO2Oの実証実験を進めている。リアルとネットの境界がなくなる新しいコミュニケーションの形として、今後の展開に期待が持てる。
見知らぬ消費者同士をつなげる
世界中の見知らぬ人同士をつなげるすてきな試みもある。コカ・コーラの「Hilltop Re−imagined」キャンペーンがそれ。
12年カンヌ国際広告祭(正式名称:カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル)のモバイル部門でグランプリを受賞した。
世界中の会ったこともない誰かにコーラを1本無料でプレゼントするというキャンペーン。Googleが全面的に技術サポートして実現した。
スマートフォンアプリを利用して、世界各地に設置された専用のコカ・コーラ自動販売機の中から自分が贈りたい国のものを選択する。受け取り主に宛てたメッセージを入力すると、Googleが各国の言語に自動翻訳してくれる。贈った先の国で、たまたま通りかかった人が、実際の自動販売機からメッセージとコーラを受け取る。自動販売機に表示されたキーボードから贈り主へのお礼のメッセージを入力、送信できる。もちろんGoogleが自動翻訳してくれる。