中学受験に合格したいなら塾の本質を見抜け 合格実績や営業トークに惑わされない選び方

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「何かをしなければいけないプレッシャーをひしひしと感じながら、でも具体的には何をしていいのかが明確になっていない」というのは、人間にとってたいへんつらい状態なのだ。

塾の違いはスモールステップ(短期目標設定)に表れる

そこで、現在地からゴールまでの距離と方向を知っていて、期限までの日数で毎日走るべき距離を割り出し、ペース配分を考えてくれるコーチが必要になる。

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コーチは、「今日はとりあえずあの電信柱まで全力疾走しよう!」などと小学生を鼓舞する。小学生も「うん、わかった!」と電信柱のことだけを考えて走る。

電信柱まで到達すると、「うまく走れたね!」とか「ちょっと調子が悪かったかな? どこを改善しようか」などと励ましながら、「じゃ、次はあそこの橋のたもとを目指してみよう!」と続く。

それを繰り返すことで、いつの間にかとてつもない距離を小学生に走破させ、小学生の目にもゴールが見える場所まで導く。最後は子ども自身がゴールに向かってラストスパートする。それが中学受験勉強だ。

本当にきついのはラストスパート。そこだけを切り取ると中学受験は過酷なレースだ。しかし、ラストスパートまでの道のりは、いろんなタイプの小学生と、それを応援する親と塾の講師の、笑いあり、涙ありの珍道中。その道先案内人が、中学受験塾の役割ということになる。「千里の道も一歩から」。短期目標設定の仕方が中学受験塾の腕の見せ所である。それが子どもに合っているかどうかが、塾選びの肝となる。

合格実績はもちろん大切だ。自分の子どもの学力に合う塾を選ぶのが前提。そのうえで、志望校合格という目標を、どういう基準で小さな目標に切り分けるのか、どういう動機付けでそれに取り組ませるのか、達成感はどんな形で味わわせるのか、いかに忘却曲線にあらがうのかに注目してほしい。

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