「瞑想」と「深い呼吸」が折れない心をつくる 米国防の要「ペンタゴン」が認めるその効果

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
拡大
縮小

便利なはずのツールも、使い過ぎれば毒となる。現代人は深刻な、「情報中毒」状態だ。常に誰かに、何かにつながっている状態で、どうやって人生の大切な課題に集中し、思考をクリアにできるというのだろうか。悩みも不安も、自分に余裕がなければ向き合えない。思考が休まらなければ、その余裕も生まれない。

では、どうすれば「思考」を休めることができるのか。即効性のある方法がある。それは、一切の情報を一時的にシャットアウトする習慣をつけることだ。スマホを手にしている時間を1日たった5分止めるだけでもよい(それくらい、きっと誰もが出来るだろう)。そのたった5分の間、取り組んでほしいのが『瞑想』だ。

瞑想を導入したペンタゴンの狙い

すぐに取り入れられる、ペンタゴン式のシンプルなメソッドを紹介している

実は私が所属するアメリカ国防総省、通称「ペンタゴン」では、本格的に『瞑想』をトレーニングに導入している。ペンタゴンはアメリカ国防の要だ。職員数は傘下の軍を合わせて320万人、実にアメリカの1%が従事している巨大組織である。CIAやFBIなどと並び、映画の題材にもよく登場する組織であるが、その多くのミッションは「機密」というベールに包まれている。

組織の宿命上「緊急事態」は日常茶飯事だし、極限状態に追い込まれるような困難が常について回る。そんなストレスフルな状態の中、ざわめく心を静め、自らの思考を正常化させるための方法として、『瞑想』は我々の必須トレーニングとなった。

ペンタゴンというと、年中マッチョなトレーニングをしているとの誤解があるようだ。しかし、どんな困難にも立ち向かえる強い意志力、精神力を整えるには、心身両面のトレーニングが必須である。「心」を鍛えなければ、人は正常には機能しないということを、われわれは誰より知っている。戦場に送られ増えていく精神不調者、深刻なPTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩まされる人たち。瞑想はそうした問題を緩和するのに効果を上げている。

次ページ特別なテクニックは不要
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT