筆記試験はテストセンター利用(ANA)などで行います。英語試験に関してもGTEC(ANA)で実施または資格試験証明書提出で免除になるなど、決して航空会社独特なものではありません。
グループディスカッションの内容も一般的で、会話しながら進行するため特別難易度が高いとはいえません。JALCAの一次面接で行われたグループディスカッションでは、「優先席を譲るなら、A.赤ちゃんを抱えていてもう一人子供のいる母親、B.杖をついている年配女性」「機内サービスで復活するとしたら、A. CAが着物を着てサービス、B.寿司職人が寿司を握って提供」など、さほど航空業界の知識を要しない、一般の学生が手に入る情報で対応できるテーマが出題される傾向が強くなっています。
対面式の面接でも、「将来、CAとしてどのようにして海外からのお客様をもてなしたいか」「傷ついた経験や、投げ出した経験」など、一般の学生が手に入る情報で対応可能、または他の業界でも想定できる内容の質問になっています。
JALでは英会話が盛り込まれていますが、「英語による面接」とは異なり、英会話のスキルチェックのようなものです。現在、他業界でも多くの企業で英語による面接が行われており、企業によっては日常会話以上の会話力がないと対応できません。しかし、日系航空会社のCA採用試験では、面接の全てを英語で行うわけではありませんので、特に難しいとは言えません。
CA採用試験の何が特別なのか。
では、なぜ多くのCA志望学生がダブルスクールをしてまで試験準備をするのでしょう。筆者はプロのキャリアコンサルタントとして、CAなどのエアライン志望者だけでなく、幅広く学生のキャリア支援に携わってきました。長年の経験から見出だしたCA志望者と一般的な学生との違いは、その仕事を得ようとする「モチベーションの高さ」です。それゆえ、志望者は時間と労力を惜しまずスキルを上げて試験に臨みます。
たとえCAの採用試験が一般的な内容だったとしても、CA志望者一人ひとりのスキルの高さが試験のレベルを押し上げていると言えます。それをよく知らない方は、大企業の採用試験のほうが、競争率は高いと主張されますが、数字だけで判断できない全体のレベル感があるのです。たとえ競争率が20倍だったとしても、全体のレベルが高ければ内定を獲得するのは容易ではありません。
つまり、「CA志望者のモチベーションの高さ、スキルの高さが特別である」と言えるのです。試験は共に試験を受けるライバルとの相対評価です。ですから試験を間近に控えたみなさんは、高いモチベーションを維持し、求められるスキルを持続的に上げて行かねばなりません。
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