選択型人事制度以外にも、定められた時間や場所と異なる働き方を選択できる「ウルトラワーク」も3年前から実施。例えば、子どもが急に熱を出して出社できないなら、その日は在宅で働く、時差出勤をすることが認められます。
サイボウズでは、青野慶久社長をはじめ経営陣が率先して育児休暇を取得してきたことから、制度を利用しやすい雰囲気も整っているとか。いまでは出産で辞める社員はゼロ。女性社員比率4割にはこういったきめ細かい制度の充実があるようです。
次に紹介するのは、空調事業で世界シェアNo.1のダイキン工業です。1992年に育児休暇・育児勤務制度を導入するなど、女性の活躍推進に早くから取り組んできました。
「1992年度は女性社員全体のうち子どもを持つ女性の割合は6.6%でしたが、2014年度は35%にまで上昇しました。女性の勤続年数は2倍になり、平均年齢も26.7歳から34.5歳に延びるなど、目に見える効果を確認しています」とは、ダイバーシティ推進グループの今西亜裕美担当課長。
現在は全社員8144人のうち女性社員は15%の1211人。うち30代前半までの女性社員が648人いて、子どもがいない社員は519人と8割を占めています。これが意味するのは、今後、結婚や出産といったライフイベントを控える可能性のある女性が多いということです。
早期復職者を対象に手厚い制度
具体的な施策として取り組んでいるのは、子育て支援ではなく、就業継続を前提としたキャリア支援です。例えば、育児休暇は子どもが満1歳に達するまでで、やむを得ない事情がある場合は、最大6カ月あるいは満1歳の3月末まで延長可能とし、小学校卒業までは最大1時間の時差勤務、フレックス勤務、小学校1年生の年度末まで1日6時間の短時間勤務を認めています。
加えて積極的に進めているのは、出産した女性社員の早期復職です。同社では、子どもの病気や残業、出張時に利用したベビーシッターなど外部サービスの費用、別居する親に一定期間、自宅で子どもの面倒をみてもらう際の交通費などを、年間1人当たり20万円まで会社が補助する「育児支援カフェテリアプラン制度」を2007年度から提供しています。
そして、2012年度には生後11カ月未満で職場復帰した社員に対しては年間最大30万円に補助金を拡大、2014年度からは生後6カ月未満で復職した場合、年間最大60万円に増額、カフェテリアメニューに認可・認可外保育所の費用補助も追加しました。
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