ファンド責任者は迷いが生じたときが潮時だ ハイリスクな仕事はモチベーションがすべて

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私自身は別に仕事のできる人ではありませんが、それでも前職にてIPOを責任者として成し遂げ、26歳で上場企業の役員となりながらも、そのあたりの客観性を失わず、つまり独りよがりな勘違いをせずに、さらに個人としての自分を磨くべく海外のビジネススクールに行き、そして転職をしたわけです。

DNさんのケースでも、ご自身の努力や実力も大いにある中で、そのような因果関係にフトした疑問を持ったという事なのかもしれません。

「自分が見える」仕事を選ぶ

もちろん、どんな仕事でも自分一人で全て完結するようなものはありませんが、それでも次はより「自分が見える」仕事を選ばれても良いかもしれません。

なお、「自分が見える」の定義は自分が決めるものですから、私からは何とも申し上げられませんが、自分のやった成果がよりダイレクトに結果に響くような仕事を探すのが良いのでしょう。

本連載や、拙著「下剋上転職」でも何度も述べておりますが、転職とは単なる思い付きでやる行為ではなく、自分を取り巻く環境や自分自身の考えの変化に応じた適応行為と捉えるべきなのです。ですから環境や自分の中での優先順位や価値観が変わるに応じて職も変わるというのは至極普通な事なわけです。

したがって、DNさんの中でそういった変化が生じた今がまさに潮時であると。

そして、今までのキャリア上の蓄積を考えると、DNさんにはその適応能力が十分に備わっているものと思いますから選択肢は豊富です。あとは上記の様なご自身の置かれた状況を把握し、自分自身のインセンティブとモチベーションを知った上で、しかるべき選択をすれば良いのです。

DNさんが新たな環境における幸せの追求の第一歩を踏み出されることを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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