5年後、日本は女の「名ばかり管理職」だらけ? 酒井穣×太田彩子、2020年「働き方のリアル」

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さかい・じょう●BOLBOP代表取締役CEO。フリービット非常勤取締役(人材戦略研究所・所長)。特定非営利活動法人NPOカタリバ理事。事業構想大学院大学・特任教授(人的資源管理論)。1972年、東京生まれ。慶應義塾大学理工学部卒。オランダTilburg大学TIAS School for Business and Society経営学修士号首席(The Best Student Award)取得。2015年、介護のことを分かりやすく伝えるメディア「KAIGO LABO」を立ち上げる。

太田:マイナスを逆手にとるのですね。

酒井:太田さんが今やられている営業部女子課も一つの例ですよ。誰もモデルケースがいない状況だから、漠然とした不安に悩まされるわけです。だから、太田さんを中心にして女性同士がサポートし合えるネットワークが求められているし、実際に全国に広がっている。

太田:なるほど……。今まで気づいていませんでしたが、確かに酒井さんの言うとおりかもしれません。

酒井:でも、うがった見方をすれば、営業部女子課の活動が広がっているということは、まだまだ働く女性の悩みは解決されていないということなんですよね。

太田:そうですね。今年の8月末に「女性活躍推進法」が成立したじゃないですか。国を挙げての女性活用が期待されている一方、当事者である企業も、女性たちも、モデルケースがない中、結果を残していかなければいけない。そんな今の状況に危機感を抱いています。

まずは会社の「マッチョ体質」を変える所から

酒井:最悪なのは、最終的に「やっぱり女性が男性と同じように働くのはムリなんだ」と、社会に認知されてしまうケースです。

太田:「女性活躍は失敗だった」と言われてしまう日が来るかもしないわけですね? どうすればそれが避けられるとお考えですか?

酒井:女性の数を増やす前に、会社の体育会的な風土を変えることが先だと思います。今でも、休日の出張や徹夜の残業を自慢する人が評価されるようなところが、日本の会社にはあるじゃないですか。それはただの精神論であって、別に成果や能率とはまったく関係のないものです。

そういうマッチョな働き方を奨励せず、むしろ男性も女性も普通に有給を申請したり、フレキシブルに働けるのが当たり前にならないといけないと思います。それさえ実現できれば、数の上では、女性も男性同様に活躍できるようになるでしょうね。

太田:経営者や人事担当が理解のある会社ならいいですが、すべての会社がそう変わるのは、なかなか難しそうですね……。

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