東大卒の教育ライターが明かす、東大推薦入学者だけに与えられる"特権"の正体

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高校生の時点である程度専門を決め、そこからの転学部は事実上叶わないことを覚悟する必要があるのは確か。とはいえ、進振り競争に振り回される同級生を数多く見てきた身からすれば、「こんな競争に参加しなくて済むならば、よっぽど学部入学の方がよいだろう」と感じてしまいます。

「推薦・総合型選抜」は「就職活動」と一緒

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今の親世代の方々にとって、「推薦・総合型選抜」はあまり印象が良くないかもしれません。「裏口・不正入学の温床である」などといった否定的イメージはもはや過去の遺物ですが、それでも透明性が担保されていない問題があるからです。

とはいえ、むしろ社会に出てからは透明性が担保される審査のほうが少数であることに留意すれば、いわゆる「就職活動」と一緒だと割り切れるのでは。

しかも、就職活動とは異なり、研究に関する活動実績やその姿勢が問われるので、「勉強が苦手な人」「勉強が得意な人」のどちらも活躍が見込めるのです。

実際に、私はこの1年間で50人以上の難関校の推薦・総合型選抜を切り抜けた方々の話を聞いてきましたが、そこから浮かび上がってきた受験生像は「ずる賢くてコネを最大限利用する卑怯者」ではなく、「自分の興味に向き合い続ける研究者の卵」でした。

興味関心を早々に選べないからこそ、東大生は悩みに悩んで、点数競争に身を投じていきます。遠回りになりそうな道は、どれほど興味があったとしても「キャリアのため」と目を瞑り、見ないふりをして駆け抜けていく。

ですが、これは本当に東京大学が考えていた「理系文系に縛られない自由な学び」に沿うものなのかとも考えてしまいます。今の東大生は、確かに文理に囚われることなく学びますが、代わりに「点数」に縛られるようになっただけなのではないでしょうか。

受験勉強の応用を利かせ「点数にならない勉強はしない」と割り切って、競争自体をハックする。合理的ですが、自由ではない。いつまでも受験戦争から抜け出せない。

「東大が推薦入試を開始する」と聞いた当時、高校生ながら耳を疑った記憶があります。ただ、東大の内情を知った今ならば、その理由がわかる。まじめさではなく、主体性が問われる時代が、すぐそこまでやってきているのかもしれません。

布施川 天馬 東大卒教育ライター

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ふせがわ てんま / Tenma Fusegawa

1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれ、幼少期から貧しい生活を余儀なくされる。金銭的、地理的な事情から、無理なく進学可能な大学である東大進学を志すようになる。

高校3年生まで吹奏楽部の活動や生徒会長としての活動をこなすが、自主学習の習慣をほぼつけないままに受験生となってしまう。予備校に通うだけの金銭的余裕がなかったため、オリジナルの「お金も時間も節約する勉強法」を編み出し、一浪の末、東大合格を果たす。

現在は、自身の勉強法を全国に広めるための「リアルドラゴン桜プロジェクト」を推進。また、全国の子供たちを対象に無料で勉強を教えるYouTubeチャンネル「スマホ学園」にて授業を行う。

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