東大卒の教育ライターが明かす、東大推薦入学者だけに与えられる"特権"の正体

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学部によっては認められていなかったり、渋谷から本郷までのアクセスが微妙に悪くて駒場の授業とのかみ合わせが悪かったりと、まだまだ改善の余地があるとはいえ、大学院での専門的な学びを視野に入れている学生にとっては、ありがたい話。

実際に、今回話を聞いた学生のうち、ほとんどが「卒業後は大学院に進学するつもりだ」と答えています。早期から専門性の兆しを見せている推薦入学者ですが、「研究が好きだから、研究で食べていきたい」と考える人は、思っている以上に多いのです。

推薦入学が不利に働く点もある

ただし、推薦入学が不利に働く点もあります。それは、「進学振り分けに参加できないこと」。今回話を伺った中にも、2名だけ「希望・入学した学部と実際の学びの内容が違った」という人がいました。

東大には「教養学部後期課程」と呼ばれる学部があり、3年次以降も駒場キャンパスに留まって、さらに学際的な学びを深めるコースとなっています。

一般にはなじみが薄い後期教養ですが、進振り要求点は80点台が当たり前と高く、東大の中には「真のエリートは赤門をくぐらない」(真のエリートたる後期教養進学者は、赤門がある本郷キャンパスに訪れないため)という言葉すらあるほど。

ただ、東大になじみが薄い方にはなかなか存在が知られていません。実際に、筆者も東京大学に来るまでは「教養学部」の存在すら知りませんでしたし、進学振り分けについて調べるまでは「点数が足りなくてどこの学部にも進学できないと、後期も取り残されてしまうのだろうか」と大変失礼なことを考えていました。

実際には東大でも群を抜いたエリート学部で、大体なんでもできる懐の広さと、大体なんでも専門的にできる深さが特徴。この学部を認知する前後でギャップが大きく、「推薦入学してみたら、後期教養というもっと自分に合っていそうな学部があった」というのが、今回伺ったデメリットの内容でした。

もちろん、「もっと入学前に調べておくべきだった」というのは簡単です。ですが、地方や、偏差値的に東大合格者が出ないような学校の出身だと、全く情報が降りてきません。

東京の偏差値55程度の高校に通っていた私ですら、東京大学の入試が「○○学部」ではないと知ったのは高校3年生になってからですし、東大進学者の先輩や東大出身の先生もほとんどいなかったので、情報源もほぼありませんでした。

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