東大卒の教育ライターが明かす、東大推薦入学者だけに与えられる"特権"の正体
このように、同級生でも目指す場所によって全く熱意が変わる進振り。もちろん、点数が取れればいいですが、取れなければ第2志望、第3志望と落としていくしかありません。「頑張って東大までやってきたのに、最終的に全く興味がない学問を学ぶ羽目になった」なんて嘆きも、珍しくないのです。
ですが、推薦入学者は、この進振り競争に参加する義務がありません。彼らは、はじめから「○○学部」の入試を受けて入学しているからです。
今回、東大推薦入学者22名に話を伺う中で「東大に推薦入学してよかったことは?」と聞いたところ、20名が「進学振り分けに参加しなくてよかったこと」と答えました。進振り競争に参加しなくてよい分だけ、時間を自由に使えるようになるからです。
そもそも、東大に入るまでの受験競争よりも、進振り競争は過酷です。周りのライバルは「最低でも東大に入れる程度」の能力を持っていますし、受験だけしていればよかった受験生時代と違って、大学入学後はサークルやバイトなど課外活動の幅も広がります。
将来アカデミアに行くならば勉強だけしていればいいですが、「就職のためには、勉強はもちろん課外活動で何か実績を作らねばならない」と考える学生も多い。遊びふける学生ばかりとは言いませんが、「勉強が全て」の世界から脱して、なお勉強にリソースを割き続けるには、それなりの精神力や体力が必要です。
ですが、推薦入学者はこういった競争と無縁であり、自分の取り組みたい活動に一心不乱に打ち込むことができます。興味のある研究だけに打ち込む人も少なくないですし、早々に研究室訪問を繰り返して、後期専門課程で所属する研究室を選んだり、専門的な学びを先取りしたりする人もいます。
推薦入学者に与えられるもうひとつの特権
さらに、東大推薦入学者には、さらに別の特権があります。それは「早期履修制度」。前期課程の2年間は、よく言えば「広く学びを深める期間」ですが、既にやるべきことが決まった学生にとっては「専門課程への枷」になります。
普通なら、本郷キャンパスなどで行われる後期専門課程の授業を履修することはできませんが、推薦入学者は、適切な手順を踏めば専門課程の授業を履修し、単位取得することができるのです。


















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