だからこそ、いくら熱意を持って説き伏せようが、脅迫しようが、子どもの心を動かすことはできないのです。「勉強しないと将来困るよ」「このままだと受験に失敗するよ」といった脅しも、一時的な恐怖は生み出せても、学ぶ喜びや持続的な意欲には決してつながりません。
教育の原点に立ち返る―心はどう動くのか
「子どもの心はどうすれば動くのでしょうか?」
このシンプルな問いから、真の教育は始まります。この問いを避けて、表面的なテクニックや方法論だけを追い求めても、子どもの本質的な成長にはつながりません。
筆者がこれまで多くの子どもたちと接してきた経験から言えることは、人の心が動く瞬間には、次の5つの共通した要素があります。
人間の心は、成功体験によって大きく動きます。どんなに小さなことでも構いません。「できた」という実感が、次への意欲を生み出すのです。ゲームにはそれが見事に組み込まれています。だから、やりなさいと言わなくても子どもたちは自発的にやるのです。
しかし、勉強は異なります。子どもたちの勉強は、常に新しいことを学校でアップデートしていきます。つまり、「いつも」成功体験が積めていない状態にあるのです。しかも勉強はゲームと違って、初めの簡単な部分から毎回やり直し(できる体験)をしてから新しいステージにいきません。勉強は新しいステージから常に授業が始まります。このような状態で、やる気を出せと言ってもできるはずがありません。
本来は、新しい学びの前に、過去のできる体験を引き出し、その成功のリハーサルが終わってからすべきものです。しかし、残念ながら、それを行っている教育はそれほど多いとは言えません。
人間には、誰かに認められたいという根源的な欲求があります。特に子どもにとって、親や先生からの承認は、心の栄養そのものです。


















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