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「"私刑"されて当然」vs「ネットで晒すのは二次加害」 栃木・県立高《トイレで暴行事件》加害者への"私刑"賛否に過熱する人たちが見落とす重大視点

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  • 木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者
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「相談窓口に問い合わせる」という心理的なハードルを下げるだけでなく、トラブルを抑制し、さらに「生徒と教員の両方を守り、保護者が安心・納得できる状態を作る」という点で、令和の学校はスクールカウンセラーだけでなくスクールロイヤーも必要な時代なのかもしれません。防犯カメラの設置などとともに、積極的に議論を進めていくべきことのように見えるのです。

「SNSによる問題解決」を図らない社会に

最後にあらためて今回の問題を考えると、最大の焦点は「どのようにしてSNSによる問題解決を図らない社会にしていくのか」でしょう。

もしSNSによる問題解決でいじめが止まったとしても、その一方で被害者には「自分が暴行を受ける動画が多くの人々に見られ続ける」という苦しみが残ってしまいます。

元迷惑系YouTuberで奈良市議会議員のへずまりゅう氏は今後も「いじめ」問題に取り組み、タレコミがあった場合は拡散するなどの活動をしていくことを宣言した(写真:本人の公式Xアカウントより)

さらに「加害者だけでなく、その家族、学校、ほかの生徒も過剰に叩かれるなどの二次被害が発生する」「利害関係のない人々に無用な懲罰感情を抱かせる」などのネガティブな面が多く、避けたい手段であることは間違いないでしょう。

一連の報道やSNSのコメントには「なぜこのようなトラブルが起きてしまうのか」「トラブルを未然に防ぐ方法」という観点が抜けていました。

SNSが浸透した世の中だからこそ、今後はこのような問題が報じられたときは、「被害者への暴力が終わりそうでよかった」「加害者に厳罰を与えるべき」という感情論だけではなく、その先を見据えたコメントが飛び交うことを願いたいところです。

今回の問題で言えば、感情をぶつけるばかりではなく、学校問題に精通したスクールカウンセラーとスクールロイヤーの重要性や普及が建設的に議論されるようになれば、いじめが着実に減るだけでなく、誹謗中傷や二次被害を防ぐことにもつながるのではないでしょうか。

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