北軍は大量に確保して戦いに臨んでいた… 「アメリカ南北戦争」の勝敗を分けた飲み物の正体とは
兵士たちの日記には、ライフルや大砲という言葉よりも「コーヒー」が頻繁に登場したそうです。ある砲兵の回想録には、こんな一節があります。
真夜中の行軍を命じられると(中略)その前には必ずポットでコーヒーを淹れた。午前や午後に休止を命じられたときにも必ずコーヒーだ(中略)。食事にコーヒー、食事と食事のあいだにもコーヒー(中略)そしてそれだけのコーヒーを飲んできた老兵は、今や町で一番のコーヒー飲みだ。
(ジョン・ビリング「乾パンとコーヒー」『「食」の図書館 コーヒーの歴史』ジョナサン・モリス著 龍和子訳、原書房より)
禁酒法時代、コーヒーはお酒の代わり
同じ19世紀の西部開拓時代には、長距離・長時間におよぶ移動や過酷な労働の中で、眠気覚ましや活力源、そして仲間との交流にもコーヒーが欠かせないものでした。
「カウボーイコーヒー」という名前がつくほど淹れ方はワイルドで、単に豆を砕いて鍋でグツグツ煮るだけ。荒野で焚火をしながら濃いコーヒーを飲む姿が思い浮かびます。
コーヒー人気がさらに高まった背景には、禁酒法の時代がありました。
南北戦争後には、様々な社会問題が明るみに出ました。奴隷制度が廃止された一方で、黒人に対する人種差別は強まります。
些細なことで黒人に対して暴力が振るわれることが多発しました。開拓が進むにつれ、鉄道が敷設され、工業化がすすむ中で過酷な労働を強いられて、労働運動やストライキが暴徒化することもありました。
労働者としての移民が急増し、人口増大に住環境などの整備が追い付かず、都市部にはスラム街もできました。過度な飲酒に走る人も増え、暴力や犯罪が増えていったのです。
そこで、飲酒は社会の敵だ、と1920年に出されたのが禁酒法でした(合衆国憲法修正第18条)。お酒の代わりにストレス解消のためにますますコーヒーが飲まれるようになったのです。
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