「あまりに個性的すぎる団地が完成」 長野五輪「元オリンピック選手村」30年後の現在…《今井ニュータウン》を訪ねて見た"驚く光景"

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当時、14階建の市営住宅(F-1工区)の建設に携わっていた建設部技幹兼建築課長の武井晋市さんは、UD会議に何度か出席したことがあったという。

「会議では模型が持ち込まれ、CCDカメラを使いながら、先生方が『ここをもう少し高くしよう』などのやり取りがありました。住棟は当初もっと低い計画でしたが、ほかの工区との関わりや全体のデザイン調整のなかで14階の高さになりました」(武井さん)

このF工区を担当したのは、建築家の元倉眞琴さんを中心とした「スタジオ建築計画・エーシーエー・植田・金井設計共同企業体」だ。

F工区は特殊で、ひとまとまりの計画ではなく、3カ所に場所が分かれ、それぞれの最適解を求めて設計された。

なかでも14階建のF-1工区は、ニュータウンの中央に位置し、ランドマーク的な存在だ。高さがあり工事に時間がかかるため、一番先に着工したという。

市営住宅であるF-1工区。高さの違う2つの塔で構成されている(写真:筆者撮影)

ニュータウンも住戸も「バリアフリー」

そんな象徴的なタワーに、案内のもと足を踏み入れた。

エレベーターでまずは最上階へ。目の前に大きな空が広がる。遮るものはなく、山並みも街並みも遠くまで見渡せる。西側には今井駅と新幹線の線路が見え、東の方角にはオリンピックの競技施設も小さくだが確認できた。

そして中層階の3DKの空き住戸に向かった。

室内はキッチンとダイニングがつながる奥行きのある間取りだ。窓は南面して光がたっぷり差し込み心地よい。

右側に3つの部屋が配置されている。建具の開閉で一部の空間をつなげることができ、開け放すと大きな空間になった。家族構成や生活スタイルの変化に対応できる。

南面した居間。右手に個室が3室(写真:筆者撮影)
流し台と吊り戸棚のあるキッチン(写真:筆者撮影)
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