会話で「でも」をよく使う人が嫌われる"本当の理由" 否定を多用するのは「マウントを取りたいから」だけではない

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「この人となら安心して話せる」と思える相手となら、もっと話したくなるものです。

逆に、否定的なことばかり言う人とは、安心して話せないので自然と距離を置くようになります。

私は、感じのいい人とは「心理的安全性が保たれている人」だと思います。相手を否定せず、偉ぶらず、プレッシャーを与えない人です。

感じのいい人になりたければ、「この人とは話しやすい」と思われる人になることです。

体だけでなく心にも「免疫」がある

しかし、なぜ人は無意識のうちに相手を否定し、自分の意見を通そうとするような言い方をしてしまうのでしょうか。

いつも感じがいい人はこんなふうに話している
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決して、わざと相手を否定しようとしているわけではないのです。

その理由のひとつが、心を守るための“免疫”として働く自己肯定感です。

私たちは本能的に「自分は価値のある存在だ」と感じたい欲求を持っています。古来、人は集団に受け入れられることで生き延びてきました。自分の存在価値が脅かされると、脳は危険信号を発し、自己を守ろうとします。その際に起こるのが「心の免疫反応」です。

例えば、自分の意見を強く主張したり、他人の意見を軽く否定したりするのです。

つまり、人は特に意識しないまま、心のおもむくままに話しているだけだと、感じの悪い人になってしまう可能性がかなり高いということ。

心の免疫が強く働くと、無意識に自分を守るための言葉が口から出ます。

例えば、「普通はこうでしょ」「でもさ」と言いたくなるのもその一つ。

相手の意見をすぐ受け止めるより、まず自分の考えが正しいと確かめたいからです。

悪気はなくても、「普通」「でも」と始まる言葉は、聞いた人に「自分は否定されたかな?」という不安を与えることがあります。

ポイントは、自分を守る気持ちが悪いわけではないということ。

大切なのは、「まず相手の話を受け止めてから自分の意見を伝える」ことです。

「そうなんだね」「なるほど、私が感じたのは……」など、一言、「ポジティブなクッション言葉」を置くだけで、安心できる会話になります。

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大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

公認心理師、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。内閣府などの官公庁をはじめ、大手企業等で6万人以上に講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス・ハラスメント対策」を提供している。一般向けにメンタルアップマネージャ®資格講座を実施。著書に51万部を突破した『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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