日本はもうインドに太刀打ちできない?【初年度年収9000万円】で人生逆転!インドが教育超大国になった"狂気"の正体

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――本日はよろしくお願いします。今回はインドの「超」受験戦争と教育について伺いたいのですが、まずは率直に……インドの受験って、どれくらい過酷なんですか?

松本さん よく「日本はドラゴン桜みたいに受験が大変だ」と言われますけど、率直に言って今のインドのほうが、よっぽど“ドラゴン桜的”だと思います。

インドの0〜19歳人口は約5億人で、アメリカの総人口の1.5倍近くになります。そのうち、東大にあたるインド工科大学(IIT)を受けるのが100万人以上、合格するのは2万〜3万人ほど。倍率はおよそ50倍です。東大入試の倍率がだいたい3倍前後なので、単純計算で日本の15倍以上の競争が起きていることになります。

IIT卒業生の初年度の平均年収は、一般の大学卒の数倍もしくはそれ以上です。インドの家庭はまだまだ貧しいところも多く、一族の中で1人でも高い収入を得る人がいるだけで、家族全体の生活が豊かになり、社会的な地位も上がります。歴史的にも様々な意味での民族的・社会的な階層が横たわっているインドにおいて、大学受験というのは、どのような家の出自であったとしても、試験で点数を取りさえすればあらゆる意味での一発逆転が効くという、ある種の公平なシステムとも言えます。

ドラマ版の「ドラゴン桜」を僕も観たことがありますが、メインキャラクターの生徒の1人で、父親が失踪して背負うことになった借金による生活苦に耐えている矢島に対して東大受験をすすめる際に「受験っていうのはな、この国に残された、たったひとつの最後の平等なんだぞ」というセリフがありますが、まさにインドの状況こそ『ドラゴン桜』的と言えるのかもしれません。そんな空気感の中で、10代が勉強しているのが今のインドです。

試験会場の壁を親がよじ登り“カンニング”

――そこまで競争が激しいと、やはり歪みも出てきますよね。

松本さん 一番わかりやすいのは、不正の横行です。2015年にビハール州で起きたカンニング事件は、世界的なニュースになりました。

試験当日、受験会場の外壁を保護者や親戚がよじ登るんです。窓の外まで登って、解答を書いた紙を内側の生徒に手渡したり、窓から投げ込んだりしている様子が、映像で流れました。

さらに問題なのは、監督者や警備員がそれを黙認していたと言われていることです。賄賂を受け取っていたと噂されるケースも少なくありません。

これは一部の「悪い親子」の話ではなく、塾ぐるみだったり、ときには地域ぐるみで、複数会場にまたがって不正が行われていると言われています。

政府も、生体認証の導入や会場での携帯電話完全禁止など、技術的な対策を打っていますが、いたちごっこになっているのが実情です。

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