「店舗が次々と撤退」「人の気配も皆無」 まるで異空間「バブルが生んだ廃墟モール」はなぜ失敗してしまったのか
3階で営業しているのは、ベネッセの英語教室BE studioの1店舗。残りの区画はすべて閉店している。フロアの大部分を占めていたダイソーも「9月28日をもって閉店いたしました」とお知らせが貼られていた。
時折「当店はきめ細やかなサービスで皆さまの豊かな暮らしを応援しております。どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ」という館内放送が聞こえてくるが、ほとんどの店舗が営業していない異様な空間でまったく落ち着かない。
2025年の9月末に訪れた際は4階に行けたが、12月上旬に訪れると、3階から上へのエスカレーターと階段が閉鎖されていた。4階のワンフロアを使っていたペットの専門店コジマが11月30日に閉店してしまったのだ。3階で唯一営業しているベネッセの英語教室BE studioには、「エレベーター エスカレーター共に12月20日まで通常通りお使い頂けることになりました!」と書いてあった。どうやらもう使えないという話が一度出たらしく、そして21日以降は停まってしまうようだ。
もともと空き区画がかなり目立っていたが、各空き区画に掲示されている貼紙を見ると、この秋〜冬にかけて10店舗ほど相次いで閉店している。一部の店舗は近くに移転するそうだ。現在、営業しているサイゼリヤやマックハウス、スーパーマーケットなども12月中に閉店予定となっている。跡地に新しい店舗がオープンする気配はない。
さすがに様子がおかしいと思い建物と土地の登記簿を確認したところ、2023年に大阪の会社による買収を経て、2025年11月末にエムトラストという東京の不動産会社に買収されていた。
今後の「ベイタウン本牧5番街」の行く末について公式には何も発表されていないが、買収したのは物件を仕入れて住宅として再開発している会社だ。テナントが一気に閉店・移転していることから、おそらくマンションなどに建て替えられる可能性が高いのではないだろうか(※東洋経済オンラインのほうで何度か問い合わせたところ、いずれも担当者不在だった。今後の用途について回答が得られ次第、追記の予定)。
致命的なアクセスの悪さと動線の分断
なぜ、「ベイタウン本牧5番街」は廃墟になってしまったのか。その最大の理由は、周辺に駅がなく、最も近い山手駅からも徒歩約34分かかるアクセスの悪さだ。横浜駅や桜木町駅からバスに乗っても、20~30分もかかる。



















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