購買行動や仕事の生産性を左右する「ちょっとした感情」の見過ごせない影響——行動経済学の視点で「幸せの仕組み化」を意識してみよう
アフェクトから始まる「幸せの仕組み化」
アフェクト——。聞き慣れない言葉かもしれませんが、行動経済学の世界では「人間の意思決定を左右する重要な要素」と考えられています。喜怒哀楽のような強い感情(エモーション)ではなく、心の中に一瞬で浮かぶ「ちょっとうれしい」「なんだか嫌だ」「これが好き」という淡い感情をアフェクトといいます。
人間は日常の中で、はっきりした強い感情を抱くことは意外に少ないものです。一方でアフェクトのような淡い気持ちは頻繁に感じます。そしてアフェクトこそが意思決定に大きな影響を与えるのです。
すべてのもの・こと・人にはアフェクトがあります。
私は大の犬好きなので、犬を見ると瞬間的にウキウキした気持ちになってしまいます。これが「ポジティブアフェクト」です。ジョギング中に散歩している犬とすれ違うとテンションが上がり、「もう少し長く走れそう」という気持ちになります。
カレーが大好きな人なら「夕飯はカレー」と聞くとポジティブな気持ちになるでしょう。でも、実はランチもカレーだったとしたら、好きでも少しはがっかりしますよね。これが「ネガティブアフェクト」です。
アフェクトは置かれた状況でも変化するのです。
「残業」という言葉に、ネガティブアフェクトを感じる人は少なくないはずです。ですが、尊敬する上司に「すまないけど、この仕事をお願いできないかな。これは君にしかできないと思うんだ」と言われたら、「自分を頼ってくれたんだ。じゃあ、がんばろう!」というポジティブアフェクトに変化することもあります。
逆にイヤミな上司なら「今日は早く帰れると思ったのに……」とネガティブアフェクトに転じるかもしれません。依頼主に対するアフェクトでも、物事の受け取り方が変わるのです。


















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