「声をかけられるうちが花」「迷わず踏み出す勇気を持つ」――周りから孤立せず人生後半を豊かに過ごし、"要介護"を防ぐ3つの鉄則

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意外と犬好きな人は多いようで、たまに私が散歩に連れて行くと、「かわいいワンチャン」などと声をかけられることがあります。また、たまにしか帰ってこない娘と犬を連れて散歩していると、向こうから来た犬連れの人と、「お久しぶりですね」などと言いながら、犬の話をしていたりします。

愛犬とともに歩いて外に出て身体を動かすことが、地域とのつながりと健康寿命を支える重要事項になるのです。

人生楽しんだもの勝ち

健康寿命を延ばす秘訣は、必ずしも「完璧な生活習慣」だけではありません。おすすめはしませんが、タバコを吸い、お酒を大量に飲み、食生活が偏っていても、驚くほど元気に長生きする人がいます。

健康長寿を貫く人たちには、共通点があります。それは、何歳になっても居場所と出番のある生活を続け、毎日を楽しそうに生きていることです。

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ストイックに我慢ばかりするよりも、「おもしろそうだからやってみよう」と前向きに捉える姿勢こそが、心と身体の健康を支えるのです。

地域活動も同じです。負担に思えばストレスですが、「頼まれごとはチャンス」と受け止めれば、人との出会いが増え、新しい自分に出会うきっかけにもなります。

大変さも含めて「やりがい」と感じられると、不思議と笑顔や活力が湧いてきます。そんなやりがいや生きがいを感じたとき、身体の底からパワーが出てくるのは、何歳になっても変わらないことです。

人生は一度きり。避けられない老いも、思いがけない苦労もあります。それでも、「人生は楽しんだもの勝ち」と楽しむ力を持ち続ければ、最後まで自分らしく輝けるのではないでしょうか。

何度も言ってきたように、健康寿命を縮める最大のリスクはフレイルです。フレイルには、認知機能の低下や認知症も含まれます。私も現在65歳、実は、認知機能の危うさを感じることが増えてきました。

2階に必要なものを取りに行ったはずが、何を取りに行ったのか忘れてしまう。人や物の名前がスムーズに出てこない。こうしたこともフレイルの症状です。フレイルの段階であれば、もとの元気な認知機能をまだ取り戻せます。ここをどう防ぐかが重要なのです。

その鍵は「楽しく生きること」。

地域活動やボランティア、趣味の集まりにどんどん参加していくこと。頼まれごとをきっかけに人との交流が生まれ、笑顔で会話する時間が増えていけば、それが自然とフレイルの予防につながります。

生きがいを感じる毎日の積み重ねが、身体も心も元気にする。いつまでも自分らしく生きるために必要なのは、特別なことではなく、「今日を楽しく過ごす」という小さな心がけなのです。

宇都宮 啓 医師、財団法人日本食生活協会代表理事、公益財団法人日本建築衛生管理教育センター理事長

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うつのみや おさむ / Osamu Utsunomiya

1960年、北海道生まれ。1986年、慶應義塾大学医学部を卒業後、厚生省に入省。1991年、チュレーン大学公衆衛生・熱帯医学大学院へ留学し、翌1992年よりカリフォルニア大学サンフランシスコ校保健政策研究所客員研究員。その後、厚生省保健医療局地域保健・健康増進栄養課課長補佐(「健康日本21」策定に従事)、厚生労働省大臣官房厚生科学課主任科学技術調整官などを経て、岡山県保健福祉部長、厚生労働省老健局老人保健課長、保険局医療課長、成田空港検疫所長。大臣官房生活衛生・食品安全審議官などを歴任。2008年と2014年の診療報酬改定や2012年の介護報酬改定に携わり、2018年、厚生労働省健康局長に就任し、翌年退官。

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