「なぜ私がこんな目に…」がん再発で絶望の淵にいた50代女性が、生きる気力を取り戻すまで――「心のSOS」を感じた人にも"緩和ケア"が必要な訳

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がん再発で心を病んだ女性を救った緩和ケアとは(写真:jessie/PIXTA)
「もうすぐ自分は死ぬに違いない」。がんの再発を伝えられたショックでうつ状態に陥り、家から出られなくなった女性。緩和ケアが関わったことで、前を向けるようになった――。
これまで1000人を超える患者を在宅で看取り、「最期は家で迎えたい」という患者の希望を在宅医として叶えてきた中村明澄医師が、若い人たちにも知ってもらいたい“在宅ケアのいま”を伝える本シリーズ。
今回のテーマは、「精神的なつらさを和らげる緩和ケア」です。

がんの再発を告げられて

がんの再発を告げられたAさん(女性、50代)。

告知された当初は、頑張って外来で抗がん剤治療を受けていましたが、3カ月ほど経ったあたりから食事が喉を通らなくなり、眠れない日が続くように。「もうすぐ自分は死ぬかもしれない」という不安が日に日に膨らみ、とうとう家から出られなくなってしまいました。

Aさんには近くに住む姉がいて、Aさんががんに罹患してからは、何かと気にかけてくれていました。この日は外来の受診日なのに「行けない」というAさんを心配し、彼女に同行する形でなんとか病院に連れてきたのです。

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