コンセンサス政治はもともとありえない 『日本政治の崩壊』を書いた北岡伸一氏に聞く

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コンセンサス政治はもともとありえない--『日本政治の崩壊』を書いた北岡伸一氏(政策研究大学院大学教授)に聞く

日本では5年間に五つの内閣が成立しては倒れ、今また六つ目の内閣が「改革」に牛歩の歩みを続けている。著者は「まっとうな中庸の議論」が通じないと嘆く。

──過去30年、書かれたモノにブレがなく、歯切れもいいですね。

週刊誌の取材が来ると、当たり前すぎてまったく面白くないと言われる。むしろ当たり前のことがなかなか通らない時代ではないのか。

主な政策でいえば、消費税を上げなければしょうがないと自民党の多数も思っている。安全保障政策でも日本はもう少し責任を持ってやらなければいけないと、多くの政治家は思っている。中央政党は主な政策で一致し、かつ国民の大多数もそうだ。でも、それが実現できないような制度下にある。国民が支持し、2大政党が基本的に一致している政策が何でやれないのか。

──大連立内閣のすすめですか。

現在は非常時。大連立が私の持論になってしまった。突き詰めていえば、政治家は国民のために政治をする道具にすぎない。道具という尻尾が犬を振り回してはいけない。

国連のような国際社会の現場に行くとよくわかるが、日本という国は諸外国に好かれていて、多くの魅力を持った重要なプレーヤーだと思われている。そうであるのに、ぱっとしない政治家が代表として現れて、世界においてすっかり存在感が薄くなってしまった。ASEAN(東南アジア諸国連合)プラス3の13カ国で今、財務相や首相が英語で議論できないのは日本だけ。お粗末な人を、当選回数が積み上がれば大臣に起用するなどもってのほか。「無知も知のうち」などありえない話だ。どんな組織でもトップがバカなら組織は崩壊する。

 

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