【都内の狭小住宅で暮らすやや貧乏な夫婦の日常】 "断捨離狂い"だった妻が12畳→6畳1K・25㎡新居に引越してやっと気づけた"残すべきアイテム"

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洗剤もそうです。世の中には「トイレ用洗剤」「お風呂用洗剤」「台所用ハイター」など、たくさんの種類がありますが、我が家は「ボディソープ」と「塩素系漂白剤」で、トイレもお風呂場もキッチンも磨いちゃう。こまめに掃除すれば、専用洗剤でなくてもそこそこ綺麗は維持できます。

モノを減らせば場所を取らないし、管理の手間もかかりません。わずか6畳のコンパクトな家において、「より少なく暮らすこと」のメリットは、デメリットをはるかに上回ります。しかも元来のケチな性格も伴い「買わなければ節約にもなる」と、どんどん減らすことにのめり込んでいきました。

極端に“削る”方向へ進みすぎた結果、貧乏くささすら漂っていたように思います。いつの間にか「なければないほど偉い」というような、謎の価値観に支配されていきました。

12畳から6畳へ。狭くなったのに、考え方は広がった

どせいさんポンプボトル
キッチンはどせいさんポンプボトルにボディソープを詰め替えて、食器洗いや手洗いに使用。カレーや炒めものなど油が気になる時のみ、台所用洗剤を使用(筆者撮影)

実はこの夏、私たち夫婦は、12畳1ルームから現在の6畳1Kの部屋へと引っ越してきました。面積はほぼ半分、居住空間は減り、生活の導線も収納の自由度も、ぐっと制限されました。ところが、です。狭くなったことで、てっきり「もっと減らさなきゃ」と思い詰めるかと思いきや、反対に「減らすことにとらわれるのはやめたい」という気持ちが強くなりました。

その理由は、収入と支出のバランスを改めて調整したから。夫は2022年からがんで闘病中で、入院と時短勤務をくり返し、昨年62歳で退職しました。

当初は年金受給年齢の65歳を迎えるまでは、妻の私が大黒柱として家計を支える予定だったのですが、生活そのものを小さく整え、必要な支出とそうでない支出を丁寧に見直すほうが、私たちの暮らしには合っていると判断したのです。

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