【産業天気図・外食】ファストフード好調で薄日差すが、ファミレス・居酒屋が夏場の需要期に苦戦
外食産業は前2006年度にようやく底を打ち、07年度後半・08年度前半は「曇り」、ところによっては薄日がが差す展開となりそうだ。日本フードサービス協会が7月に行った外食産業市場動向によると、既存店の前年同月比売上高は97.7%。新規開店も含めた全店ベースでは101.0%で前年同月比を若干上回った。ただ、ファミレス、居酒屋は夏場7月、8月に前回想定したほどには需要が盛り上がっていない。そのため、07年度後半については、前回「晴れ」としていた天気見通しを修正する。
業績好調なのが日本マクドナルドホールディングス<2702>と吉野家ディー・アンド・シー<9861>といった、いわばファストフード組だ。日本マクドナルドは「100円メニュー」や新商品のヒット、24時間営業店の拡大による客数増加や地域別価格導入による実質的な値上げが奏功している。07年12月期の売上高は前期比12.7%の伸長、営業利益も前期比倍増の155億円を見込む。
吉野家は、米国産牛肉の輸入再開で牛丼の販売時間が延長されたことで、売上高は前期比20%増、営業利益も前期比倍増の84億円の見通しだ。
ファミリーレストランや居酒屋の多くが前期で底打ち、今期回復という見通しだったが、中国産食品の安全性への懸念が高まり逆風となっている。業界最大手のすかいらーく(非上場)は、店頭に原材料の産地を表示するなどで顧客離れ対策を講じているが、7月のグループ売上高は前年同月比92%と6月の99.9%を大きく下回った。8月には97%まで回復したものの、書き入れ時の夏場の苦戦は収益の足かせとなりそうだ。9月からは一律10円の値上げを行い挽回を図る。ロイヤルホールディングス<8179>も6月の売上高は前年同月比97.7%だったが、7月には90.9%と落ち込んだ。居酒屋のワタミ<7522>、大庄<9979>も6月に比べ7月は落ち込み、8月に若干回復している。
【山本 亜由子記者】
(株)東洋経済新報社 四季報オンライン編集部
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