Gemini 3登場で「AIに勝てない」と焦る若手が見落としている"正しい危機感"
手前味噌で恐縮ですが、私は国立大学の法学部出身で、コンサルタントやマーケターとしてキャリアを積んできました。
過去には、会員数150万人を獲得したソーシャルゲームにて、キャラクター設定、ストーリー、セリフのすべてを執筆し、ユーザーの皆様から多くの支持をいただいた経験もあります。そうした背景もあり、言語能力にはそれなりの自信を持っています。
その私が読んでも、「プロの執筆活動に十分使えてしまう」と判断できてしまう。それほどのレベルに達しているのです。
ここ数年、AIの進化に「驚き疲れた」という空気も漂っていましたが、Gemini 3の進化は、改めて我々に「人間の役割とは何か」を突きつけています。
焦るべきは、AIの進化ではない
このあまりの進化に、特に若手ビジネスパーソンの中から「事務処理能力ではもうAIに勝てない」「自分の仕事がなくなる」という焦りの声が聞こえてきます。
しかし、はっきり言っておきます。その焦りは「ズレて」います。「AIのほうが処理が速いから勝てない」「知識量で勝てない」と嘆くのは、そもそも勝負する場所を間違えているのです。
Gemini 3の登場で本当に恐れるべきは、AIに仕事を奪われることではありません。
あまりに便利なAIに頼りすぎた結果、「修羅場(検証の数)」を潜り抜けず、「良し悪しを判断するためのモノサシ(経験知)」が空っぽのまま歳をとってしまうこと。これこそが、若手が直面している真の危機なのです。
なぜ「事務処理で勝てない」と焦る必要がないのでしょうか。それは、資料作成、調査、コーディング、メール作成といった「中間プロセス」は、どう考えてもAIに明け渡すべき領域だからです。
かつては「PowerPointをきれいに作る」「Excelで関数を組む」「バグのないコードを書く」といった業務そのものが若手の価値とされていた時代もありました。しかし、これらはすべて「目的(顧客への価値提供)」に至るまでの「手段」にすぎません。



















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