もういい加減、マウンティングはやめにしない? いつまでも「学歴」にこだわる人が見落としている"人生の真実"

✎ 1〜 ✎ 356 ✎ 357 ✎ 358 ✎ 359
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

だが、大学に進学すること自体がエリートの象徴であった戦前などとは異なり、現在は大学の学位自体も価値もデフレ気味だ。皆が同じように大企業に就職するという時代であれば、年齢によって相手と自分の社会におけるポジションなどは容易に把握できたが、現在はカタカナ名の職業の乱立や人生の最高の瞬間切り取りメディアであるSNSの普及などにより、何が価値なのか、何が正解なのかもわからず、自分の人生に疑問を持つ人も増えている。

だからこそ、変わることはないし、共通認識として順番を明示してくれる「学歴」に活路を見いだす人が多いのだと思う。「自分は●●大学出身だ」ということで、他人に自分が価値のある人間だと認識してほしいという欲求もあれば、自分自身を納得させ安心させる材料として使うという側面もあるだろう。

わからなくはないのだが、本来やるべきことは、現時点においてパフォーマンスを出すことであり、将来をより良くするための行動を起こすことであり、過去ではなく現在と将来の幸せを担保するための行動に注力することだ。変わることのない過去を振り返り、過去に生きるのではなく、これから自分次第でいくらでも変えることのできる未来を見るべきだ。

下を見て安心するのではなく、上を見てはい上がれ

それでも学歴で他人を判断したいという人には、ぜひ以下のことを覚えておいてほしい。それは、現在のようにグローバル化されている世の中において、日本という限られたリーグの中における比較は意味がない、ということだ(前述のタワマン内のマウンティングと同様に)。

世界大学ランキングで見れば、日本の上位校も決して誇れる順位ではない。経営者の学歴という観点でも、修士課程修了者が多い海外に比べて、学士主体の日本の経営者は低学歴だともいえる。

要は、下を見て安心するのではなく、どうせ他人と比べたいなら、上を見て、自分がさらに上にはい上がるためのモチベーションとして活用してほしい、ということだ。

繰り返しになるが、相手の現在のパフォーマンスなどを見ずに、過去の一部の経歴だけ見て安心しても、自分自身の価値向上にはまったく関係がない。変わらない過去ではなく、これからいくらでも変えることのできる将来を見据えて、前向きな行動と思考に努めるべし。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事