「疲れが抜けない」「気分が落ちこむ」「肌や髪の調子が悪い」…更年期の不調の背景にある「見えない栄養欠乏」の正体
肌や髪の健康にも、亜鉛は大切です。不足すると、肌荒れやたるみ、くすみ、小ジワといった変化があらわれやすくなります。また、髪の毛も頭皮という〝土壌〟にミネラルが足りないと、育ちにくくなります。実際、男女問わず、脱毛や薄毛のある方に亜鉛不足が見つかることは少なくありません。
さらに、メンタル面ではうつ症状との関係も指摘されていて、亜鉛をとることで改善が見られたという研究もありますし、更年期にありがちなイライラや不安、気分の落ち込みなども改善される可能性があるのです。
メンタルの不調にも深く関わる栄養素
ビタミンB群
ビタミンB群は、糖質・脂質・たんぱく質といった三大栄養素を、体内でエネルギーに変えるときに欠かせません。
食べたものはそのまま体の材料になるわけではなく、一度細かく分解され、必要な場所に運ばれ、必要な形に変換されて初めて活用されます。
この複雑な代謝のプロセスを進めるのが酵素。その酵素を支えているのがビタミンB群です。言いかえれば、食べたものをきちんと体のエネルギーに変える力を、裏側で支えてくれている栄養素なのです。
ビタミンB群にはさまざまな種類がありますが、ここでは「ビタミンB6」「ナイアシン(ビタミンB3)」「葉酸」「ビタミンB12」を取り上げます。
ビタミンB6は、ビタミンB群のなかでも基本となる大切な栄養素です。とくに、「たんぱく質を体の材料として使えるようにする」という役割を担っています。
また、メンタルの不調にも深く関わっています。「セロトニン(幸せホルモン)」「ドーパミン」「GABA」など、気分を安定させる神経伝達物質の合成にもビタミンB6が使われるため、不足するとイライラしやすくなったり、気分が落ち込んだり、眠れなくなったりすることがあります。エネルギーを生み出す「クエン酸回路」にも関与しており、不足すると「だるさ」や「疲れが取れない」といった症状につながります。


















