「疲れが抜けない」「気分が落ちこむ」「肌や髪の調子が悪い」…更年期の不調の背景にある「見えない栄養欠乏」の正体

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
(写真:PIXTA)
仕事や家事に追われる日々のなかで、「疲れが抜けない」「気分が落ちこむ」「肌や髪の調子が悪い」──そんな不調を年齢や更年期のせいにしていませんか。実は、その背景には“栄養不足”が隠れているかもしれません。タンパク質や鉄、脂質、亜鉛、ビタミンB群など、体を支える栄養素が不足すると、ホルモンや自律神経のバランスが乱れ、心と体の不調が現れやすくなりま『更年期の不調の原因は栄養不足が9割』の著者で医師の梶尚志氏が、食事で心身を整えるための栄養素を解説します。

不調からあなたを守る栄養素

タンパク質

ホルモンや酵素、免疫細胞、神経の伝達物質など、体のあらゆるしくみに関わる欠かせない材料です。脳、皮膚、髪、コラーゲンなど、体を構成するさまざまな組織も、タンパク質を材料にしています。また、細胞の再生に必要な土台でもあり、不足すると、自律神経や気分に影響が出やすいのです。

セロトニンやドーパミン、オキシトシンなどの幸せホルモンもタンパク質からつくられていますので、タンパク質が足りないと、気持ちが沈みやすくなったり、不安を感じやすくなったりすることがあります。

脂質

脂質は、タンパク質・炭水化物と並ぶ三大栄養素のひとつで、体の中でさまざまな役割を担っています。

その脂質の一種が、コレステロール。「太る」「体に悪い」といったイメージを持たれがちですが、女性の体にとって欠かせない栄養素です。エストロゲンやプロゲステロンという女性ホルモンは、コレステロールを材料に、卵巣や副腎で酵素の働きによって合成されます。

女性ホルモンの分泌量が少なくなってくる更年期の時期は、とくに材料がしっかり足りているかどうかが大切になります。材料がなければ、体はホルモンをつくりたくてもつくることができません。

「ホルモンを補う」のではなく、「自分でつくれる状態を保つ」ことが大切です。そのためには、食事からどんな脂質をとるかが大きなポイントになります。

サバやイワシなどの青魚に多く含まれているDHAやEPAといったオメガ3系脂肪酸には、体の中で起こる炎症をおさえる働きがあります。また、えごま油や亜麻仁油には、植物由来のオメガ3系脂肪酸(α-リノレン酸)が豊富に含まれています。そのほか、オリーブオイル(エクストラバージン)やごま油にも、体にやさしい脂肪酸や抗酸化成分が含まれています。

次ページ「更年期=イライラする時期」は誤解
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事