「いつの間にか被害者に…」。児童ポルノ、最近よくある3つの手口。深刻化する「グルーミング」、「画像を拡散するぞ」脅迫でエスカレート

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スマホを操作する若い女性
未成年者の性被害、「自分の子に限って…」とは決して言えない時代かもしれません(写真:ロストコーナー / PIXTA)
「保護者が子どもの内面の問題を把握しにくい時代になっている」、そう語るのは学校での暴力、いじめ、自殺、障害、不登校、少年事件まで多くのことをテーマに多くの著作があるノンフィクション作家・石井光太氏です。
保護者世代の子ども時代に比べ、現代の子どもたちを取り巻く世界は大きく変化。「今学校で起きている校内暴力やいじめは、親世代の人たちが知っているそれとはまったく異なります」という石井氏は、事態を解決するためには
1:大人が子どもの周りで起きているリアルを知る
2:子どもがトラブルを起こすメカニズムを把握する
3:トラブルを起こす子どもに必要な対応を取る
のプロセスが重要だと強調します。「リアルを知る」ための一環として本記事では3回にわたって、石井氏の著書『傷つけ合う子どもたち』より一部を抜粋し、現代の子どもたちを取り巻く現状から3つのテーマを取り上げます。第2回は「児童ポルノ」にフォーカスします。
第1回:「オツ〜」「それな」「www」…。子どもたちをむしばむ3パターンの「SNSいじめ」、その正体。親世代にはなかった"巧妙な心理的暴力"の真相

「児童ポルノ」手口の実態

大半の日本人が「児童ポルノ嗜好者」と聞いて頭に思い描くのは、中高年層の男性ではないでしょうか。インターネットで少し検索すれば、小学生〜高校生が被害に遭っていると推測される画像や動画はいくらでも出てきます。

児童ポルノは、性的に倒錯した人々の異様な欲望に支えられているため、市場規模はそれなりの大きさになっています。ただし大人のポルノ動画のように合法的に制作することができないので、人々は素人の子どもをターゲットにして、あの手この手で新しい映像を得ようとします。

近年の主な手口として、次の3つが挙げられます。

・SNSやゲームでの接触

・グルーミング

・セクストーション

1つ目の「SNSやゲームでの接触」は、中高年の大人が、10代の若者などに扮して、SNSやゲームで子どもに近づく手法です。

加害者は「○○高校サッカー部のエース」とか「○○女子高の○○推し」といった偽のプロフィールを掲載したアカウントを作り、若い子のアカウントに近づいて、コメントやDM(ダイレクトメッセージ)を通じて仲良くなります。

被害者の子は、同世代の友達ができたと思い込み、親交を深め、個人情報をやりとりするようになる。お互いの間に信頼関係ができ上がると、加害者はさりげないふうを装って相手に性的な画像の提供を求めます。

「私の下着姿を画像で送るから、あなたの下着姿も送って」とか「私って胸の形がおかしいかも。私の胸の画像を送るから、あなたのも送って。比べてみたい」などと言って下着姿や裸の画像を送らせるのです。

保護者は、「うちの子は見ず知らずの人とやりとりなんてしない」と思っているかもしれません。しかし、本当にそう言い切れるでしょうか。

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