「いつの間にか被害者に…」。児童ポルノ、最近よくある3つの手口。深刻化する「グルーミング」、「画像を拡散するぞ」脅迫でエスカレート

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下の図を見てください。小1〜小3の子どもを持つ親のおおよそ4人に1人が、子どもが知らない人物とやりとりをしたことがあると答えているのがわかります。

知らない人とのやりとりの有無と内容についてのグラフ
(画像:『傷つけ合う子どもたち』)

さらに驚くべきは、そうした経験のある小学生の2〜3割が身体の写真や動画を送った経験があると回答しているのです。

考えなくてはならないのが、年齢が低い子であればあるほど、児童ポルノに巻き込まれるリスクが高まる点でしょう。高校生くらいの年齢の子であれば、性教育を受けていることもあり、性的なやりとりをするのがどういうことかを理解しているので、怪しい誘いがあった場合は身の危険を感じて距離を置こうとします。

他方、年齢が低ければ低いほど、性の知識が欠けていることもあって、自分が瀕している危機を適切に察知できないまま、相手との交友を楽しんだり、言われた通りに画像などのデータを送ったりしてしまうのです。こうした子どもたちが、自分でも気づかないうちに児童ポルノの対象となっているのです。

ネット上でグルーミングのターゲットに

次に「グルーミング」を見てみましょう。これは身づくろいの意味で、動物が相手の毛並みを整えたり、ノミなどの虫を除去したりすることによって衛生管理をしながら信頼関係を高め合う行為をいいます。

児童ポルノでいうグルーミングとは、加害者が被害者に近づくために行う手段を示します。簡単に言えば、わいせつな目的を隠して親しくなって相手を手なずけた後、児童ポルノの提供を求める手法のことです。

現代の子どもたちは学業不振、人間関係、家庭の問題、不登校、身体の変調など様々なことで悩んでいます。スマホを持っている子は、そうした悩みをⅩやインスタなどでつぶやくことも珍しくありません。

児童ポルノの加害者は、キーワード検索でこうしたアカウントを探し出します。そしてDMを送り、その子の相談に乗る。毎日のように問題解決の方法を送ったり、面白い動画を交換したり、自分の悩みを打ち明けたりするのです。

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