子どもたちはSOSを出しているのに、親がそのサインに気づけなかったり、「楽な方に流れている」と誤解してしまうことも少なくありません。
早紀さんの娘さんは「不登校」という形でSOSを出しました。そして早紀さんは葛藤しながら、自分の心を見つめ直し、少しずつ娘さんを受け止められるようになっていきます。そのプロセスこそが、娘さんが“自分の目標を決めて行動する力”へとつながっていったのでしょう。
もうひとつ、早紀さんのお話の中で見逃せないのが、「親が子どもに愚痴を聞かせている」という点です。
私は不登校の相談を受けるとき、「お子さんに愚痴を聞いてもらっていませんか?」と尋ねます。なぜなら、子どもは“傾聴の天才”だからです。
お母さんが子どもに愚痴をこぼすと…
真面目で優しい子どもほど、親の話を聞いてくれます。否定せず受け止めてくれる存在に、親はつい安心して話してしまいますが、それは子どもにとって大きな負担になります。子どもが“親を支える役割”を背負ってしまい、自分がしんどくても本音を言えなくなるのです。こうして「アダルトチルドレン」をつくり出してしまいます。
早紀さんの娘さんの「お母さんは自他の境界があまい」という言葉は象徴的でした。この一言が、母娘の間に明確な境界線を引くきっかけになりました。そして早紀さんはここでも逃げることなく、しっかりと自分に向き合ったのです。
こうした困難を乗り越えた早紀さんは、ますますキラキラと輝く人生を歩まれると私は確信しています。そして娘さんも困難が訪れるたびに、お母さんの応援を力にして前へ進んでいかれることでしょう。
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