「スパルタ進学校で不登校に」一度は大学受験も諦めた娘を、国立医学部に導いた母の"気づき"

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しかし、早紀さんとご主人はそれを受け入れず、そのまま高校に進学するよう勧めます。

「最後までやり通すことが大事という気持ちもありましたが、親の私たちがその学校の“ブランド“にこだわっていたのも事実です」と、早紀さんは当時の心境を率直に振り返ります。

ご両親の説得を受け入れた娘さんはそのまま内部進学しますが、高校2年生の秋ごろから学校に行けなくなりました。

きっかけは同級生からの嫌がらせでした。

娘さんはある部活動で部長を務めていましたが、その同級生から「部長なのにこんなこともできないの?」、「仕事が遅いね」などと言葉の暴力を日々浴びせられていたといいます。

「娘は不器用なので、勉強と部活をうまく回せないんでしょうね。皆の前でそのことを責められ、辛かったのだと思います」

学校でハサミを顔に突きつけられて

そしてある時、その嫌がらせはショッキングな事件にまで発展しました。授業で使う鋭利なハサミを顔に突きつけられたのです。

早紀さんはすぐに学校に相談し、相手の保護者にも事実を伝え、その同級生とは距離をおけるようになったのですが、その出来事が収束するまでの数カ月間、娘さんは学校に登校できませんでした。

ハサミを突きつけられるなど看過できない問題ですが、早紀さんは「その学校ではめずらしくもないんです」と話します。つまり、親が子どもに勉強を強制し、学校の成績が悪いと叩かれたり、精神的に追い詰められたりする子どもたちが多いのだとか。そして、その反動が学校で“いじめ”として出る子もいれば、学校に行けなくなる子もいるのです。

「娘に嫌がらせを続けた同級生も学校や親からのプレッシャーがあったのだと思います。自分の思い通りにならないとキレるタイプのお子さんでした」

学校の対応はどうだったのでしょうか。

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