「周囲がなんと言おうと、親を許す必要はない」過激な毒親の「呪いの首輪」に苦しみ続けた作家が、ひとつの"出会い"と試行錯誤の末に見つけた答え

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他にも“毒親育ちあるある”がないか聞いてみると、「人生前半はハードモードでつらいけど、年を重ねるにつれて幸福度が上がることが多い」という。アルテイシアさん自身も「中高時代が人生で苦しい時期で、そのあとの人生がわりとラク」なのだそうだ。

「人生の幸福度を折れ線グラフにすると途中からは右肩上がりで、今はボーナスステージだと思って生きてます。『人生の前半に一生分の苦労はした。あとはのんびり生きよう』と思えることも、幸福度が上がるカギなのかもしれません」

毒親育ちは、生まれながらにして多種多様なハンデを負う。しかしポジティブな一面もあると考えれば、たとえわずかでも、暗闇のなかに光が差すように感じるのではないだろうか。

「みんな毒親のことや日々のモヤモヤを話したいんだな」

アルテイシアさんは現在、毒親やジェンダー、フェミニズムなどをテーマに執筆するほか、全国で講演や授業も多数おこなっている。2022年に地元神戸からはじまった「ジェンダーしゃべり場」の輪は全国に広がり、最近は若い男性の参加者も増えているそうだ。

「みんな毒親のことや日々のモヤモヤを話したいんだなと実感してます」

毒親から離れても、その呪いから完全に逃げ切るのは難しい。しかし心の内を誰かに話し、共感してもらうことで、ひとりで抱え込んできた重い荷物をひとつずつ降ろせるようになる。自分の考えや意見を否定されない場を求めている人は、きっと多いはずだ。

それが救いとなり、呪いの首輪から解き放たれる人が増えていくよう、アルテイシアさんの活動を見守りたい。

アルテイシアさん
アルテイシアさんの言葉は、今後も多くの人々の救いとなるだろう(写真:本人提供)
【合わせて読みたい】
前編:「この家を出なければ殺してしまう」酒と男に依存する母、娘から"搾取"続ける父に絶縁後まで苦しめられ…毒親育ちの作家が語る「壮絶すぎる半生」
山本ヨウコ フリーライター

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やまもと・ようこ / Yoko Yamamoto

千葉県在住。地域情報誌の編集・ライターとして活動し、2019年に独立。「生き方」や「働き方」をメインテーマに取材活動をおこない、Webや雑誌、企業のオウンドメディアなどで幅広く執筆中。またブックライターとして本づくりにも携わっている。趣味は推し活、人間観察、バレーボール。

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