「周囲がなんと言おうと、親を許す必要はない」過激な毒親の「呪いの首輪」に苦しみ続けた作家が、ひとつの"出会い"と試行錯誤の末に見つけた答え
次に、「なんでも話せる場や、信頼できる友達を見つけること」もいいそうだ。
アルテイシアさんは、これまで親について気軽に語れる「毒親フレンズ」に支えられてきた。例えば、絶縁した父が入院していると聞いたときのこと。会いに行くべきなのかと相談したところ、全員が「行かなくていい」と答えた。
「会いに行かないと後悔するよ」と圧をかけるのではなく「このまま親が死ぬまで逃げ切るほうがいいんじゃない?」「無視したほうがいいと思うよ」と率直な意見を述べてくれる彼女たちに、とても救われたという。
落ち込んでも、それを分かち合える場があれば
価値観の合う友達と過ごすうちに強まっていった「女性が安心してなんでも話せる場所をつくりたい」という思い。それを実現するため、アルテイシアさんは2018年に「アルテイシアの大人の女子校」という読者コミュニティを、2022年には神戸市東灘区で「ジェンダーしゃべり場」をスタートした。
みんなで親について話し合ううちに「生きづらさが減った」という声が、コミュニティのメンバーから届くことも多い。
「みんな“毒親育ち”というハンデを抱えながらも、前向きに生きようと頑張っていますよね。でも、親から電話がかかってきたり、親からレシートのように長いLINEが来たりするたび、気持ちが引き戻されてしまう。
そうやって前を向く、引き戻されるを何度も繰り返しながら、必死に生きているんです。なにかがあって落ち込んでも、それを分かち合える場があるといいなと思います」
毒親とひとりで戦うのはしんどいですからね、と噛み締めるように言葉を続けた。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら