「周囲がなんと言おうと、親を許す必要はない」過激な毒親の「呪いの首輪」に苦しみ続けた作家が、ひとつの"出会い"と試行錯誤の末に見つけた答え
「夫は上下迷彩服に身を包んだオタクで、昆虫と恐竜と漫画の話しかしませんでした。20代は寂しさから“ビッチ化”していた私でしたが、夫に対してときめきもドキドキも感じなかったがゆえに、彼の前では鎧を着ずに“全裸状態”で接することができたんです。
ほどなくして夫を人間として好きになったし、夫が私を女としてじゃなく人間として尊重してくれたから、試しに付き合ってみました」
2人の関係は「ほぼ友情結婚」の状態で、今も「気の合う親友のゴリラと同居している」ような感覚だという。自分が友情結婚をするとは思っていなかったものの「長続きしない恋愛よりも自分に向いていたんでしょうね」と語る。
「変わらなくていい」と肯定され、心が安定した
なにより大きいのは、夫がありのままの自分を認めてくれることだ。彼はこれまで一度もアルテイシアさんにダメ出ししたことがない。「精神的に不安定な自分を変えなきゃ幸せになれない」と真剣に悩んでいたときも、夫は一切否定しなかった。
「『今まで大変なことがいろいろあったんだから、不安定になって当然だろう。別に変わらなくていいんじゃないか?』と言ってくれました。生まれて初めて『変わらなくていい』『それでいいのだ』と全肯定されたんです」
夫というパートナーを得たことでメンタルが安定し、「ようやく生きていける」と自信がついた。「欠点だらけの人間だけど、まあいっか」と自分を許すことができ、他人も許せるようになった。
愛情に飢えていたアルテイシアさんにとって、“自分を無条件に愛してくれる存在”である夫は、人生の救いとなったのだ。
「心の底から“家族”を欲していたんです。『惚れたハレたはいらない、家族がほしい…ガハッ』と血を吐くような思いでした。友情結婚のような形で夫と一緒になり、ようやく自力でオリジナルの家族を手に入れた。その安心感はとても大きくて、自分にとっては絶対に必要なものでしたね」



















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