「ロリコン教師」がSNSで集団化 教員7人逮捕に見る"ネットワーク型性犯罪"の深層

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また、お互い教師という「堅い職業」であるからこそ、誰かが秘密を口外したりすることはないだろうという無意識の「信頼関係」を結んでいたことがうかがわれる。ここからは犯罪の漏洩を防ごうとする意図が明確で、この点も非常に悪質であるといえる。

盗撮や児童ポルノ被害の特徴は、一度拡散されれば「被害が過去形にならない」という点にある。削除が不可能な場合、被害は時間的にも空間的にも無期限に続く。

たとえ本人が事件当時に被害を自覚していなくても、「映像が残っているかもしれない」という不安が長期的な心理的外傷につながる可能性がある。

また、学校=安全な場所という前提が崩れると、不登校・対人不信・学習意欲低下といった二次的影響を生む可能性もある。低年齢の児童の場合、被害の自覚が遅れて現れることもあり、数年後にフラッシュバックが生じる例も報告されている。

さらに、事件後の学校対応が遅れたり曖昧化したりすると、学校や教員への不信感が強まり、被害が教育制度全体に波及する事態にもなりえる。

必要なのは「個人責任追及」では終わらない改革

今回の犯罪は「極めて例外的な教員が犯した事件だ」と切り離して終わらせるべきではない。「教員全体が危険である」という過度の一般化は避けるべきであるが、「教師=聖職」という性善説はもう通用せず、今や「どの学校にも不心得な教員がいるかもしれない」という前提で対策を立てる必要があるだろう。

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