「ロリコン教師」がSNSで集団化 教員7人逮捕に見る"ネットワーク型性犯罪"の深層

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教員は採用時に身元・適性審査を経た専門職であり、保護者や社会は「子どもを守る立場」として信頼を前提に接している。ゆえに、犯罪行為が発覚した際の衝撃は、一般の性犯罪以上に強い。

「担任の先生が加害者だったかもしれない」という恐怖は、当事者以外の子どもや保護者にも心理的影響を与える。盗撮をしたのが勤務校内か校外かにかかわらず、影響の大きさは変わらない。

「集団化する性犯罪」という構図

今回の事件の特徴は、盗撮動画が単独保管されるのではなく、SNSグループ内で共有され、称賛や「捕まらないようにしましょうね」といった反社会的なコミュニケーションが交わされていた点にある。事実、彼らは秘匿性の高いアプリを用いていたと報道されている。

このような構造は、犯罪心理学の領域では「逸脱の社会化」と呼ばれ、同調と承認によって違法行為が強化されるメカニズムと合致する。

盗撮・児童ポルノ所持は、一般的には倫理的にも法的にも強く禁忌とされる。しかし「仲間内で許容される空間」が成立すると、個人の良心や違法感覚は麻痺しやすくなる。特にSNSを用いた密室型コミュニティーは、他者の目や制裁が入りにくく、刺激を共有し合うことでエスカレーションする。

報道によれば「ロリコン教師で集まれるのはうれしい」という供述をしていたというが、そこからは、社会的には許されない「趣味」、誰にも言えない「犯罪行為」を共有する「仲間」ができたということの喜びや興奮が語られており、「逸脱の社会化」が明らかである。

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