ゆうちょ銀行社長、懸案の「成長戦略」を語る 日本郵便との関係は永遠に残す

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ながと・まさつぐ 1948年生まれ、1972年日本興業銀行入行、みずほコーポレート銀行常務執行役員、富士重工業副社長、シティバンク銀行会長を経て、2015年5月からゆうちょ銀行取締役兼代表執行役社長(現職)、6月から日本郵政株式会社取締役(現職)(撮影:梅谷秀司)

そのために運用部隊を増強している。これまで90人ほどがいて、十分成績がよかったが、6月に元ゴールドマン・サックス証券副社長の佐護勝紀を採用し、市場部門の執行役副社長に就いてもらった。彼を含め、7人のサムライ、骨格となる運用担当者7人の採用が決まった。もう少し増やして年内に10人ぐらいにしたいと思っている。このほかに骨格部隊をサポートする人も10~20人ぐらい採用したいと考えている。運用部隊は最大で120人ほどになる見通しだ。

運用部隊は成功報酬体系、信用リスクをとる

――運用担当者の採用にあたって、報酬体系は従来のものと変えたのか。

だいぶ工夫した。みずほ銀行や野村証券などを参考に、成功報酬体系にした。まだ完全には出来上がっていないが、来年のボーナスまでには間に合わせる。来年度早々には、報酬体系が正式に固まると思う。

タイトル(役職)も重要で、「執行役員」という役職を新たに設けた。われわれ役員は「執行役」だが、それと同じラインに乗せてしまうと社長の給料が天井になってしまう。だから「執行役員」という別のラインをつくった。すでに「常務執行役員」のタイトルなどを枢要な人に与えている。

――どのような資産で運用していくのか。

主に先進国の投資適格債だ。国債もあるが、社債もある。われわれは融資ができず、クレジット(信用)リスクがとれないので社債でとっていきたい。日本株も、もう2兆円ぐらいの残高がある。ハイイールド債や新興国債も少しある。REIT(不動産投資信託)やプライベートエクイティ、ヘッジファンドといった、オルタナティブ投資もやっていく。オーストラリアの大手金融機関マッコーリーが手掛けているようなインフラ関連のファンドなどへの投資も検討している。

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