ゆうちょ銀行社長、懸案の「成長戦略」を語る 日本郵便との関係は永遠に残す

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――2番目の柱である手数料収入の拡大はどのように進めていくか。

驚くくらい海外投資家が関心を示していた分野だ。ゆうちょ銀行は、メガバンクと違い、法人融資ができないので、シンジケートローンの主幹事手数料やプロジェクトファイナンスのアレンジメントフィー、為替やデリバティブの手数料収入がほとんどない。

しかし、投資信託の販売手数料は増やせる余地が大きい。貯蓄から投資へというトレンドは必ず来ると思っている。それを取り込みたい。これまでも10年ぐらい投信を販売してきたが、その残高は1兆円程度。日本の投信販売全体ではシェアは1%ぐらいしかない。預貯金のシェアではゆうちょ銀行は20%程度ある。そこまで行こうというのはツーマッチかもしれないが、もう少しできると思っている。

シンプルで損失リスクを抑えた投信を販売

――三井住友信託銀行、野村ホールディングスと、投信の開発・販売会社を新設すると発表しているが。

ゆうちょ銀行のお客様のことを考えると、大きなキャピタルロス(損失)が起こりうるような、スペキュラティブ(投機的)な投信は受けないのではと思っている。なるべくわかりやすい、シンプルで、キャピタルロスの可能性が比較的・相対的に少ない商品が受けるのではないかと考えている。新しく設立する会社では、そうした商品を1つあるいは2つでいいので、新規に開発して郵便局ネットワークに乗せて販売を増やしていきたい。

――2万4000あるすべての郵便局で販売していくのか。

来年2月から販売を開始するが、当初は、現状、投信を販売している233のゆうちょ銀行直営店と1300ぐらいの郵便局で販売していく考えだ。できるだけ広げていきたいが、5人以下の郵便局で投信を売るのはたいへんだろう。

郵便業務、保険業務などもある中、投信の商品性を十分に客に伝え、販売後のメンテナンスもしっかりやっていくことが必要なので、そう簡単には投信販売拠点を増やしていくことはできない。6人以上の局員がいる郵便局は5000ほど。とりあえずは1300局から5000局ぐらいに向かって増やせていければと考えている。

――新しく販売する投信の特徴は。

発想はファンド・オブ・ファンズ。客はいろいろな性格のものを欲しがる。外貨のリスクをとりたい、日本株をやりたい、外国株をやりたい、直接利回りの大きい債券がいいなど、4つか5つか6つくらいの大きな要望を1個のパッケージにうまくリスク分散してまとめたものをつくれればと思っている。(市場環境に応じて資産配分を変更できるような)ラップ型投信にはしない。手がかかるので、当面は無理だと思っている。

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