クマ被害撲滅へ…山から人里への"移動ルート"を断ち切り、本来の生息域に押し戻す「ゾーニング」という"有力防衛策"【専門家に聞く】

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いま特に東北地方では毎日のようにクマが学校やスーパー、民家などに押し寄せる事件があり、日々怖い思いをしている人がいる。どんな対策が必要なのか。

「まずお住まいの自治体が公表しているクマの出没情報をこまめにチェックして、その付近には近づかないようにしてください。またクマがよく出る地域では、どこに潜んでいてもおかしくないと思って、常に警戒して行動することが大事です。不要な外出は避け、日中に車を使って移動したり、複数人で出かけたりしましょう」(山﨑さん)

クマの出没地域で、薄暗い早朝や夕方、夜に犬の散歩に出かけたり、ウォーキングやランニングに出かけたりするのは、とても危険な行為だ。

「冬眠前のクマは脂肪を蓄えるために、昼間だけでなく夜間もエサを探して歩き回ります。ですから、暗い時間に外に出ると、不意にクマに出くわすリスクが非常に高いのです」(山﨑さん)

専門家が教える「山での注意点」

山に入る場合は、どんなことに注意すべきだろうか。

「一般論として、人里にいるクマと違い山にいるクマは人馴れしていないので、基本的に大きな音を立てていれば、人間を避けてくれるはず。定期的に笛を吹く、鈴を鳴らす、手を叩くなども有効です。ただし、秋にきのこ、春に山菜の生えている場所へいくのは、クマの好物でもあるので、危険です」(山﨑さん)

間もなく冬がやって来る。通常、クマは11〜12月に冬眠し始め、3〜5月に目を覚ます。

「今年のように山にどんぐりなどの食料が少ない年は、クマは早めに冬眠を開始する傾向にあります。ただし、集落や市街地の近くにいるクマは、食料がたっぷりあるため冬眠の開始が遅くなる可能性があります」と山﨑さん。

つまり、クマの出没地域では今後も十分な警戒が必要だということだ。

大西 まお 編集者・ライター

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おおにし まお / Mao Onishi

出版社にて雑誌・PR誌・書籍の編集をしたのち、独立。現在は、WEB記事のライティングおよび編集、書籍の編集をしている。主な編集担当書は、森戸やすみ 著『小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK』、宋美玄 著『産婦人科医ママの妊娠・出産パーフェクトBOOK』、名取宏 著『「ニセ医学」に騙されないために』など。特に子育て、教育、医療、エッセイなどの分野に関心がある。

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