マタギ修行する31歳、秋田で送る「最高の移住生活」 4LDKの一軒家に1人暮らし、山で糧を得て生きる
コロナ禍の2022年6月、岡本健太郎さん(31歳)はマタギの後継者になるために、秋田県北秋田市の最南部に位置する大阿仁地区に移住した。都会に住む若者がなぜ移住し、マタギをめざしたのか。詳しくは前編に記した通りだ。
大阿仁地区は山間に9つの集落が点在し、人口700人余り。高齢化率が約60%という限界集落だ。
どうやったら「マタギ」になれるのか
小さな集落を囲むブナの森、山の奥深くにクマが棲むマタギの猟場がある。移住の初日、岡本さんの心は高揚する。だが、数日を過ぎた頃、岡本さんは自分の誤算に気がついた。
「マタギになるために必要な狩猟免許取得、猟銃所持許可の認可、猟友会入会という3つの条件を、年内にクリアできそうにないことを知ったんです」
移住体験のとき、マタギになるためには、狩猟免許と猟銃所持許可を取得して、猟友会に入会する必要があると教えてもらっていた。だから岡本さんは移住後、すぐに猟友会の事務局に行き、免許の取得や入会について尋ねる。
狩猟免許には、わな猟免許と銃猟免許がある。その内容は、筆記試験と適性試験、組み立てから解体までの実技を審査する技能試験だ。どちらも猟友会が事前講習会を開催してサポートしてくれるという。
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