「台湾有事発言の真因は・・・」策士、策に溺れる?当代きっての"話術師"高市首相が抱える「話し方の重大リスク」

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また、最近でこそ、落ち着いて感情の抑制を効かせて話す印象の高市氏ですが、かつての動画を見ると、野党議員の攻撃的な発言に、「私が信用できない、答弁が信用できないというなら、もう質問なさらないでください」「今まで私は言いたいことがあっても答弁を我慢してまいりました」などと、あからさまに怒りを見せるシーンがありました。

表情が豊かな分、顔に気持ちが出やすい

笑顔の多い高市首相ですが、表情が豊かということは反面、顔に気持ちが出やすいということでもあります。

中国の習近平主席との会談の席での、冷めた表情などは、他の首脳と対峙する場面とはあまりに差がありすぎました

外交の場面では時にポーカーフェースで、気持ちを悟られない工夫も必要なときもあるでしょう。ここもハンデとなる可能性があります。

策士、策に溺れる。「策略にたけた人ほど、自信の策略を信じ込み、かえって失敗する」という意味ですが、コミュニケーションがうまい人は、コミュニケーションで失敗する。なまじうまいがために、つい口を滑らせ、大きな傷を負ってしまうのです。

2017年に新党を立ち上げ、勢いに乗っていた小池百合子東京都知事が、「(民進党からの合流希望者の一部を)排除する」と発したことで、急速に逆風が吹き始めたことを記憶している人も多いかもしれません。

このように、コミュニケーションがうまいことと、その力を過信し、失敗することは表裏一体です。

こうした危うさを克服し、安定的な政権運営ができるのか。これから難しいかじ取りを迫られそうです。

【連載1回目】
高市首相はなぜ、あそこまで笑顔を見せるのか? 深謀遠慮、高市早苗流「話し方の秘密」に迫る

【連載2回目】
今なぜ「リベラルの言葉」は響かないのか? 高市早苗氏が「愛国の女神」として支持を集める深い訳
岡本 純子 コミュニケーション戦略研究家・コミュ力伝道師

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おかもと じゅんこ / Junko Okamoto

「伝説の家庭教師」と呼ばれるエグゼクティブ・スピーチコーチ&コミュニケーション・ストラテジスト。株式会社グローコム代表取締役社長。早稲田大学政経学部卒業。英ケンブリッジ大学国際関係学修士。米MIT比較メディア学元客員研究員。日本を代表する大企業や外資系のリーダー、官僚・政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチ等のプライベートコーチング」に携わる。その「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれる。2022年、次世代リーダーのコミュ力養成を目的とした「世界最高の話し方の学校」を開校。その飛躍的な効果が話題を呼び、早くも「行列のできる学校」となっている。

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