PMに昇格しても具体的な役割の提示や教育はないことが多い。中小企業だけではなく、大企業でも多くは「見て覚えてね」という状況だ。PMはメンバーの業務範囲や目標を設定する仕事なのだが、そのPMの業務範囲や目標も定義されるべきだろう。また、必要なスキルは教育が必要だ。そこで、PMの仕事を整理してみたいと思う。
具体的に何を決めればいい?
まず、最初にやるべきことは、プロジェクトの「目的地(目的と目標)」を定めることだ。
何のために行うプロジェクトなのか【目的】。そして、どういう状態になったらこのプロジェクトは「成功」したと評価されるのか【目標】。それを言語化してチームメンバーに共有することで、そのプロジェクトチームが何のために、どこを目指すのか明確になる。この「目的」と「目標」が定まっていない状態とは、Googleマップに目的地を入れずに集団で歩き出しているようなものだ。
次にやるべきことは「誰がどの仕事を分担するのか【役割分担】」を決めることだ。大まかにプロジェクト遂行に必要な仕事を洗い出し、メンバーに割り当てていく。その後、各メンバーのToDoを整理していくのだが、これは細かい業務のリストアップになるので、まずはメンバーが洗い出したものをPMが確認して確定する。
こうして各自のToDoがリスト化された段階で、PMはそれをプロジェクト全体のスケジュールに当てはめて進捗管理上問題がないかをチェックする。(「プロジェクト全体の納期に間に合うか?」「猶予期間は十分に取れているか?」など)その際に活用するといいのが、WBS(Work Breakdown Structureの略)というプロジェクト管理のための【行程表】だ。
日本語では「作業分解構成図」と呼ばれ、タスク一覧とその担当者やスケジュール、納期をシートで把握できるので、抜け漏れを防いだり、工程数や進捗状況をチームで共有したりするのに役立つ。
筆者の経験上、十中八九このWBS通りにプロジェクトが進むことはないが、このWBSを“共通の予定表”としてプロジェクトチームがコミュニケーションを取ることで、「目的(目標)」に向けて「日々のやること」がブレずにプロジェクトを進めることが可能になっていく。


















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